2014年1月24日金曜日

中国・ユーロ・日本:それぞれの経済動向

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ロイター 2014年 01月 24日 04:08 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJEA0M02A20140123

1月世界製造業PMIは中国と欧州で明暗、米国底堅さ維持


●1月23日、世界の製造業PMIは、中国が半年ぶりに分岐点となる50を割り込んだほか、米国は小幅低下したが、ユーロ圏は好調な2014年の滑り出しとなった。写真は暗雲が垂れ込める上海。2011年8月撮影(2014年 ロイター/Carlos Barria)
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[ロンドン/ニューヨーク 23日 ロイター]
 -23日発表された世界の製造業購買担当者景気指数(PMI)は、
 中国が半年ぶりに分岐点となる50を割り込んだほか、
 米国は小幅低下したが、
 ユーロ圏は好調な2014年の滑り出し
となった。

 まちまちの内容となったことは、世界経済の成長が2014年も依然まだら模様であることを示唆しており、とりわけ中国経済はより低い成長率に落ち着くとみられている。

 HSBC/マークイットが発表した中国の製造業PMIは49.6と前月の50.5から低下、景況の改善・悪化の節目となる50を半年ぶりに下回った。
 国内外で内需が弱含んだことが圧迫した。

 コメルツ銀行のピーター・ディクソン氏は
 「データは中国経済がより低い成長軌道へとシフトしているとの見方に整合しており、これはまさに政府が望んでいることだ」
と指摘。
 「警告のシグナルではあるが、現段階では懸念材料ではない」
と述べた。

 マークイットが発表した1月のユーロ圏PMIは、総合が53.2と前月の52.1から上昇し、2011年半ば以来の水準となった。
 ロイター調査がまとめた最も楽観的な市場予想も上回った。

 製造業PMIは53.9で前月の52.7から上昇。
 予想レンジの上限も上回り、2年8カ月ぶりの高水準となった。

 ただフランスは域内で唯一、改善基調に逆行。
 総合PMI指数は   48.5と、拡大・縮小の節目を割り込んだ。

 INGのマーティン・ファンフリート氏は「ユーロ圏は2014年、順調な出だしとなった。
 これは勇気付けられる兆候で、今年持続的な回復を遂げるとの期待を高める」と指摘した。

 マークイットが発表した1月の米製造業PMIは53.7と、前月の55.0から低下した。
 昨年下期に米製造業は勢いを増したが、1月は3カ月ぶりの低下となった。

 だがマークイットの首席エコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は、全体の伸び率は引き続き「頼もしいほど力強い」と分析。
 四半期の生産量が2%程度伸びると、製造業で月間およそ1万人の新規雇用が創出されると指摘した。

 全米で雇用が再び健全なペースで伸びれば、米連邦準備理事会(FRB)の緩和縮小継続を後押しする可能性がある。

<新年は欧州と中国で明暗>

 ユーロ圏の成長率は依然、米成長率を大きく下回っているが、マークイットはPMIが1月の水準を維持すれば、ユーロ圏の第1・四半期成長率は0.3─0.4%程度になると見込んでいる。

 これはロイターが前週実施した調査の市場予想0.2%を上回る。

 アイルランド、スペインが今月発行した国債にはおう盛な需要が集まったほか、欧州株は5年半ぶりの高値をつけている。

 一方、中国経済は過剰生産能力や債務の積み上がり、住宅価格の大幅上昇などが足かせとなり減速傾向が鮮明だ。
 当局は新たな成長のエンジンを引き出すため、経済改革を推進する意向を示している。

 ロイターが最近、中国南部の製造業拠点を訪れた際、工場の多くは例年より早い旧正月の休暇に入っていた。
 新規受注の低迷やコストの上昇が背景にあるとみられている。

 ウニクレディトのニコラウス・ケイス氏は
 「PMIデータは、成長の勢いが今年さらに鈍るとのわれわれの見方を裏付ける。
 GDP伸び率は年内に節目の7%の水準まで緩やかなペースで鈍化すると予想する」
と述べた。

 中国の2013年GDP伸び率は7.7%と、前年から変わらずだった。



レコードチャイナ 配信日時:2014年1月24日 6時10分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=82242&type=0

技術力で勝ち、経営で負ける日本
=「輸出大国」の名にお別れを―中国メディア

 2014年1月23日、データによると2013年11月に日本の経常収支には巨額の赤字が出現し、5928億円に達した。
 これは日本にとって過去30年間で最大の赤字だ。
 日本はこれまでずっと「貿易立国戦略」を取ってきたが、経常収支が赤字になったことは日本の戦略を根底から揺るがし、日本を資金の豊富な国から資金不足の国へと転落させる可能性がある。
 国際商報が伝えた。

 日本の財務省がこのほど発表した昨年11月の速報値の国際収支によると、日本と海外とのモノやサービスや投資などの取引情況を示す経常収支は5928億円の赤字で、比較可能なデータがある1985年以降で最大となった。
 このうち貿易赤字は1兆2500億円に達する。

 日本は輸出によって経済発展を推進してきたが、このモデルはいまやすっかり過去のものとなったことに感慨を禁じ得ない。
 安倍政権は量的金融緩和政策を通じて大量の円を市場に投入し、輸出拡大をはかったが、実際には満足できる効果を上げていない。

▽輸出競争力の弱まりで巨額の赤字

 原因として容易に察することができるのは、
★.石油、天然ガス、石炭などのエネルギー製品の輸入が増加して資金が流出しているが、
★.日本には今のところこれを補うだけの優れた輸出製品がない
ということだ。
 外交学院の周永生(ジョウ・ヨンション)教授は、
 「現在の日本で生産される安価な製品は国際市場では完全にコスト割れで、科学技術力の高い製品を生産しようとしても、日本企業はイノベーション(革新)力の面で優位に立っていない」
と指摘する。

 外部環境の低迷も日本の輸出を減少させた主要因だ。
 中国社会科学院(社会科学アカデミー)日本研究所の張季風(ジャン・ジーフォン)研究員は、
 「2008年に国際金融危機が発生してから、世界経済の低迷情況は根本的に改善されていない。
 これまでは、欧米などの発達した経済体が日本製品のお得意さまだったが、今ではその購買力はかなり低下している。
 末端の市場での需要の落ち込みが日本の経済成長における多くの問題を白日の下にさらしている」
と話す。

 輸出競争力の低下も日本企業のイノベーション力不足という問題を明らかにした。
 商務部(商務省)国際貿易経済合作研究院国際市場研究部の白明(バイ・ミン)研究員によると、日本はハイエンド製品の研究開発能力で優位に立ってはいない。
 米国には多くのオリジナルな製品があるが、日本は技術の応用をより重視しており、オリジナルの技術と組み合わせることが必要だ。
 世界経済が全体として落ち込んでいる時に、オリジナルのイノベーションを欠くという日本の弱点があらわになるという。

 経済構造の欠陥もかつて貿易で国を発展させた日本を、今では国際市場で手も足も出ない情況に追いやっている。
 白研究員の説明はこうだ。ハイエンド製品の分野では、米国がオリジナル技術で他を圧倒する。
 末端製品の分野では、韓国の産業構造が日本と似ており、製品の質も接近している。
 大量生産の分野では中国が譲らない。
 日本の今の情況はまさに四面楚歌だ。

 また張研究員によると、日本の一連の有名企業は管理が硬直化し、研究開発では究極の製品ばかりを追い求めるが、現代市場におけるリニューアルやバージョンアップの速いリズムにまったく対応できておらず、多くのチャンスを失っている。
 日本企業は一度は技術で勝ったが、今では経営で負けているという。

(提供/人民網日本語版・翻訳/NA・編集/武藤)



日本経済新聞  2014/1/27 10:25
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFL270IL_X20C14A1000000/

13年貿易赤字、過去最大の11兆4745億円
燃料や中国からの輸入増

 財務省が27日発表した2013年の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は11兆4745億円の赤字だった。
 赤字額は12年(6兆9410億円)を上回り、比較可能な79年以降で最大。
 79年以降では初めて3年連続の赤字となった。

 円安を背景に燃料の原粗油や液化天然ガス(LNG)の輸入額が高水準だったうえ、中国からの輸入が増えたことが影響した。
 対中国の貿易赤字は5兆215億円と過去最大だった。

 13年の輸入額は前年比15.0%増の81兆2622億円。
 4年連続で増加し、過去最大となった。
 うちLNGは17.5%増、
 原粗油は16.3%増。
 LNGは統計の残る82年以降で輸入額・数量とも最大だった。
 中国からは光電池など半導体等電子部品のほか、スマートフォンなど通信機や衣類の輸入も増えた。
 中国からの輸入額は17.4%増の17兆6502億円と過去最大となった。

 輸出額は前年比9.5%増の69兆7877億円で3年ぶりに増えた。
 ただ円安による押し上げ効果が大きく、輸出数量指数は1.5%減だった。
 輸出額は米国向けなどの自動車が12.9%、中国向けのペットボトル原料などの有機化合物が38.8%それぞれ増えた。

 為替レート(税関長公示レートの平均値)は1ドル=96円91銭で、前年比21.8%の円安だった。

 地域別にみると、アジアからの輸入額が14.9%増の35兆9656億円と過去最大で、貿易黒字は46.2%減の1兆9103億円と3年連続で減った。
 対欧州連合(EU)の貿易赤字は6487億円と過去最大だった。
 一方、対米国の貿易黒字は19.8%増の6兆1198億円と2年連続で増えた。

 同時に発表した13年12月の貿易収支は1兆3021億円の赤字だった。
 12月としては12年(6457億円の赤字)を上回り過去最大で、単月としても3番目の大きさだった。
 赤字は18カ月連続で9月以降、最長を更新し続けている。
 原粗油など冬季の燃料輸入がかさんだうえ、中国からの輸入が増えた。

 輸入額は前年同月比24.7%増の7兆4126億円で、14カ月連続で増えた。
 輸入額は12月としては過去最大。
 輸出額は15.3%増の6兆1105億円で10カ月連続で増えた。
 輸出数量指数は2.6%増と3カ月連続で増加。
 為替レートは前年同月比24.0%の円安だった。

 貿易収支を地域別に見ると、対中国は3835億円の赤字で、22カ月連続で赤字。
 中国からの輸入額と、対中国の貿易赤字額は12月としては最大だった。
 対欧州連合(EU)も246億円の赤字で、12月としては最大。
 対米国の貿易黒字は前年同月比13.9%増の5916億円で、12カ月連続で増えた。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕



【劣化する人心と国土】


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