2014年1月22日水曜日

アフリカ人はなぜ中国人を憎むのか:「中国がアフリカを植民地化している」、“黄禍”“新植民地主義者”

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●1964年、霊長類学者ジェーン・グドールさんは若いチンパンジーのフリントと触れあう感動の瞬間を体験した。米国の『ナショナルジオグラフィック』誌にも掲載された写真はタンザニアのゴンベ渓流国立公園で撮影された。写真: ヒューゴ・ファン・ラーヴィック(Hugo van Lawick)さん


レコードチャイナ 配信日時:2014年1月22日 6時50分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=82079&type=0

アフリカ人はなぜ中国人を憎むのか
=“黄禍”“新植民地主義者”と呼ばれる中国人―米華字メディア


●18日、米華字メディア・多維新聞は記事「アフリカ人はなぜ中国人を憎むのか」を掲載した。写真はガーナ共和国の首都アクラ。

 2014年1月18日、米華字メディア・多維新聞は記事
 「アフリカ人はなぜ中国人を憎むのか」
を掲載した。
 以下はその概要。

 ガーナは南アフリカに次ぐ、アフリカ第二の金生産国だ。
 香港紙・サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、2005年以降、金を求めてガーナ入りした中国人は約5万人に上るという。
 その多くが、中国の貧困地域出身者だ。
 国内で金もうけの方法を持たない彼らは、冒険心を抱き、夢を実現させるべくアフリカに渡った。
 ガーナ政府は80年代以降、小規模金採掘を禁止した。
 しかしそこは、ごまかしに長けた中国人。
 現地政府職員への贈賄などを通じて、違法な金採掘を行っている。

 大挙してやってきた中国人は、ガーナ人の仕事を奪い、金を濫掘した。
 また有害化学物質を採掘に使用し、大量の農地や森林を破壊し、湖や河川、地下水源を汚染した。
 「中国人は私たちの、そして子どもたちの未来を潰した」
と話すガーナ人もいるほどだ。

 多くの中国人は、賄賂や違法経営、雑な施工、質の悪い建材を使った手抜き工事、環境破壊、違法雇用、被雇用者に対する権利侵害、不当解雇、密貿易や脱税、通貨偽造など、中国式の経営方式をアフリカに持ち込んだ。
 アフリカ人の中国人に対するイメージは日増しに悪化。 
現地の中国人は“黄禍”と呼ばれるようになった。
 その経済力を背景に、現地の人々の習慣や宗教を無視し、被雇用者を“奴隷”扱いする中国人も少なくない。
 中国人は“新植民地主義者”のイメージを与えてしまっているのだ。

 著名投資家のジョージ・ソロスは次のように述べている。
 「中国はかつての植民地主義の誤りを繰り返している。
 かつて植民地主義だった国々は、今ではその非を認め、誤りを正そうとしているというのに



JB Press' 2014.01.21(火)  Financial Times
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39726

英フィナンシャル・タイムズ社説:アフリカを巡る日中間の競争
(2014年1月20日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 中国と日本は東シナ海に浮かぶ島の領有権を巡って論争を繰り広げた。
 東京にある神社の参拝を巡っても衝突した。
 両国は英紙の寄稿ページで舌戦を繰り広げ、日中の駐英大使が互いの国をハリー・ポッターのヴォルデモートの闇の力になぞらえた。
 そして今、舞台を転々と移す両国の論争はさらに遠い場所へと旅した。
 アフリカである。


●1月10日、コートジボワール・アビジャンの空港に到着し、地元の指導者らの出迎えを受ける安倍晋三首相〔AFPBB News〕

 安倍晋三首相は先週、ビジネスの獲得と親善を深めることを目指し、アフリカ3カ国を歴訪した。
 日本の首相がアフリカ大陸を訪れたのは8年ぶりのことで、安倍首相が「日本外交のニューフロンティア」と呼んだ取り組みの中で、コートジボワール、モザンピーク、エチオピアを訪問した。

 日本は古くからアフリカを援助してきたが、中国がアフリカ大陸につぎ込んでいる巨額な資金には敵わない。
 それでも昨年6月、日本政府は40人近いアフリカ諸国の指導者を日本に招き、商業的関与の拡大を誓うとともに、5年間で140億ドルの援助を申し出た。

■ためにならない日中の応酬

 安倍首相のアフリカ訪問には秘められた意図があった。
 首相の報道官の1人は、アフリカにおける日本のやり方と中国のそれを比較するのを堪えられなかった。
 この報道官いわく、中国の手法は資源絡みで搾取的であり、汚職を招くやり方だ。

 同氏は笑みを浮かべながら、日本は
 「アフリカの指導者たちに素晴らしい邸宅や素晴らしい官庁ビルを提供することはできない」
と語った。
 その代わり、「アフリカの人的資本を援助する」ことが日本政府の方針だという。

 驚くまでもなく、中国の外交官らはこの挑発に乗り、ある外交官は第2次世界大戦中の日本の残虐行為を示す写真を何枚も掲げ、「日本の正体」を暴こうとした。

 このような応酬は啓発的ではない。
 事実はと言えば、アフリカの資源に対する中国の関心は、日本政府の報道官が描いたような特徴がないわけではないものの、アフリカにとって差し引きプラスだった。
 中国の関与は、アフリカ数カ国の経済展望の大幅な好転と重なった。
 中国の需要の結果として価格が上昇したエネルギーやコモディティーに恵まれた国は特にそれが際立った。

 確かに、中国企業は中国人労働者に依存しすぎている。
 また、中国政府が自国の気前のよさから誰が恩恵を受けるのかについて特に斟酌することなく、アフリカ諸国の指導者たちと進んで取引してきたのも事実だ。

 しかし、中国の関与は大いに役立っている。
 中国は時には無用の長物も建造したが、発展に欠かせないアフリカのインフラを大いに改善させた。
 中国が舞台に登場する前の西側諸国のアフリカとの関与は、とても手本となるものではなかった。
 何しろ植民地主義の後には、植民地支配から脱した後の苦悩が続き、経済発展は不十分だった。

 日本の実績も汚点がないわけではない。
 日本の援助は日本企業の利益と結びついていることがあまりにも多すぎた。

 しかし、言葉遣いを和らげることができたら、日本の新たな取り組みは多くの善をもたらす可能性がある。
 アフリカにおける日本の取り組みは、インドやインドネシア、ベトナムなど、日本により近い場所で安倍首相が行っている外交的、商業的努力に匹敵するものであり、アフリカは、友人とビジネスチャンスを探す日本政府の取り組みを後押しできるだろう。

 福島の原発事故でほとんどの原子力発電所が稼働停止となった後は特に、日本はエネルギーの調達先を多様化する必要がある。
 日本はレアアース(希土類)の新しい調達先も必要としている。

 アフリカ側も、日本製品――工業用品と消費者向け製品の双方――に市場を提供できる。
 後者の消費者向け製品については、日本企業はあまり裕福でない市場向けに製品を合わせるのがもっとうまくならなければならない。

■競争は避けられないが・・・

 また、アフリカは、日本が国際社会の建設的なメンバーであり、中国が示唆するような軍事的な脅威ではないことを立証しようとする安倍首相の取り組みにとっても「有益」かもしれない。
 日本は既に、国連平和維持活動に参画し、南スーダンに400人の自衛隊員を派遣している。

 日本政府はあらゆる面でアフリカとの関与を継続し、魅力的な代替手段を提供していることを立証すべきだ。
 イデオロギー的にも商業的にも、中国との競争は避けられない。
 だが、この競争について声高に叫ばない方がいい。

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レコードチャイナ 配信日時:2014年2月10日 17時49分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=83138&type=0

「アフリカ資源を食い荒らす中国は植民地主義」動物行動学の先駆者が批判―仏メディア


●9日、動物行動学の先駆者として知られるジェーン・グドール氏は、中国のアフリカ進出について、「かつての植民地主義者のように、アフリカの富を略奪している」と批判した。写真は南アフリカ。

 2014年2月9日、ラジオ・フランス・アンテルナショナル(中国語電子版)は、イギリスの動物行動学者・霊長類学者のジェーン・グドール氏が、中国のアフリカ進出について、
 「かつての植民地主義者のように、アフリカの富を略奪している」
と批判したと伝えた。

 ジェーン・グドール氏は、タンザニアで野生チンパンジー研究に長年従事。国連平和大使を務め、エリザベス2世から大英帝国勲章を贈られたことでも知られる。

 南アフリカ・ヨハネスブルグ大学での学術会議に出席したジェーン・グドール氏は、中国がアフリカの天然資源を乱獲していることについて、
 「かつての植民地主義時代のヨーロッパ列強と同じやり方だ。
 自分たちの経済を成長させる代わりに、現地の人々を貧困に至らしめている」
と強く批判。
 さらに
 「当時と違うのは、中国は人口が多く、技術も著しく発達しているため、状況がより劣悪化していることだ」
と指摘した。

 一方で、中国によるサイの角や象牙の不法取引が国際社会の圧力を受け改善されているとも指摘し、 
 「中国はイメージ悪化を考慮しているのかもしれないが、根底からの意識改革であることを願っている」
と述べた。



International Business Times 2014年2月20日 0時41分 更新
http://jp.ibtimes.com/articles/54657/20140220/950407.htm

「中国がアフリカを植民地化している」 有名動物学者ジェーン・グドールさん語る

 中国は過去10年間にわたり、アフリカのプロジェクトに約1千億ドル(約10兆円)を費やしてきた。
 しかしジェーン・グドール(Jane Goodall)さんは、このことに深い感慨はない。

 ジェーン・グドールさん(79歳)は英国の動物行動学者、霊長類学者、人類学者であり、チンパンジーの行動研究の草分け的存在として知られる。
 2002年から国連平和大使を務め、2007年には京都大学から名誉博士号を授与された彼女は、現在、執筆の傍ら世界中を巡り、講演や教育活動も行っている。

 グドールさんは17日、動物保護のために自身の人生の大半を過ごしたアフリカ大陸における中国の投資について、かつての英国の植民地主義と比較しながら仏AFP通信のインタビューに答えた。

 「アフリカで中国が行っていることは単なる植民地主義である。
 中国は経済成長のために資源を手に入れたがっている。
 植民地主義がアフリカに到来して天然資源を搾取し、地元の人々を貧困に陥れたのと同じだ
と彼女は南アフリカのヨハネスブルグでAFPのインタビューに語った。

 米国の民間シンクタンクであるグローバル発展センター(CGD: Center for Global Development)の統計をもとにAFPが報じた「中国のアフリカに対する援助」に関する図によると、2000年から2011年の間、中国は730億ドル(7兆3,000億円)の投資をアフリカの天然資源、鉱山、油井などのプロジェクトに投入した。


●「中国のアフリカに対する援助」中国は過去10年間で、アフリカのインフラ整備やエネルギーや資源に多くの投資を行ってきた。資料提供: AFP/グローバル発展センター(CGD)による。

 多くのプロジェクトの中で最大規模だったのは、石油関連のものであった。
 例えば、ナイジェリアの53億8,000万ドル(約5,380億円)のプロジェクトには「優先的に石油を入札する権利の取り交わし」が含まれていた。
 また西アフリカのモーリタニアの石油探査、下水処理、鉄鉱山、道路に40億4,000万ドル(約4,040億円)が投入された。

 グドールさんは1950年代にアフリカにやって来た。
 そして人類学の世界的権威であるルイス・リーキー(Louis Leakey)博士と出会い、リーキー博士の下で働けるように志願した。
 リーキー博士は霊長類学研究、特にチンパンジーの研究に興味を抱いていた。
 こうしてタンザニアで数十年に及ぶグドールさんのチンパンジーの研究が始まった。

 ヘリテージ財団が定期的にアップデートしているChina Global Investment Tracker(「中国全球投資追蹤」)によると、昨年、タンザニアベースのプロジェクトに対する中国の対外直接投資は15億ドル(約1,500億円)を突破したという。
 ヘリテージ財団は1973年に設立された米国ワシントンD.C.に本部を置く保守系シンクタンクで、企業の自由、小さな政府、個人の自由、国防強化などを掲げて米国政府の政策決定に大きな影響力を持っている。


●ヘリテージ財団は、中国が世界中にどれほど投資しているかを示すために年間データをまとめた。資料提供: ヘリテージ財団

 44億ドル(約4,400億円)相当のプロジェクトの大半は石油関連の活動となっており、エネルギー分野に関連していた。

 中国が鉱業や石油によるプロジェクトを支配しているのは、他の国でも同じである。
 例えば2013年に中国はナイジェリアで205億ドル(約2兆500億円)を投資し、そのうちの92億ドル(約9,200億円)はエネルギー分野であった。

 もちろん経済面で言えば、理論的には両当事者にとって有益だ。
 中国のプロジェクトは地域に大規模な需要を提供し、アフリカ諸国は雇用とGDPの恩恵を受ける。

 しかし実際はそれほど単純ではなく、喜んでいないのはジェーン・グドールさんだけではない。

 ザンビアは昨年、中国から40億ドル(約4兆円)の投資を得た。
 そのうちの16億ドル(約1,600億円)は資源採掘によるものだ。
 しかし、政府当局者は共同作業を実施するうちに、外国企業の度重なる小競り合いを経験してきた。

 12月にザンビア環境管理庁が8億3,200万ドル(約832億円)のプロジェクトの途中で、中国の国営非鉄金属鉱山会社(China Non-Ferrous Metals Mining(Group)Co.,Ltd: CNMC)のライセンスを停止した。
 ザンビア当局は、同社がプロジェクトによって影響を受けるすべての組織を概括する「競合解消システム」を設定するという特定の契約条件を満たさなかったためであると強く主張した。

 グドールさんを怒らせているのは合法のビジネスだけではない。
 彼女は中国の需要が違法な象牙やサイの角の取引や密猟を増加させているとAFP通信に語った。

 ワシントン条約(正式名称: 絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)に関して最近のデータは、2012年に1万5,000頭以上のゾウがアフリカの27か国以上の国で象牙のために殺され、その「大部分が中国向けの象牙」であったことを示している。

 しかし、活動家は、諸外国からの国際的な圧力が良い方向へ転換させると述べている。
 今年1月に中国当局は、これまで押収された密輸入の象牙を処分する様子を初めて公開した。
 公開処分は密輸撲滅への強い姿勢を示すのが狙いとみられる。
 広東省東莞で行われた処分では、警官らが警備に当たる中で作業員が押収された象牙を次々と機械に投げ入れた。
 また、習近平政権の綱紀粛正により2013年12月に公布された「公務接待に関する管理規定」という禁令では「フカヒレ、ツバメの巣」という食通好みの高級食材を具体的に挙げて、公務接待の宴席に供することはならないとしている。

 グドールさんは動物の権利についての意識向上を推進するために、世界中の学生と青少年プログラムも実施している。

 「私たちは何百人もの中国の子どもたちと協力して作業をしているが、子どもたちは皆同じだ」
と彼女はAFPに語った。
 「彼らは自然を愛し、動物を愛し、手助けをしたがっている。中国人だからといって違いはない」
と彼女は付け加えた。

記者:KATHLEEN CAULDERWOOD 翻訳者:加藤仁美 |
*この記事は、米国版 International Business Times の記事を日本向けに抄訳したものです。



【劣化する人心と国土】


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