2014年2月26日水曜日

中国への抑止力確保:2015年度米国国防予算…空母11隻態勢を維持

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●読売新聞より


(2014年2月25日21時39分  読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20140225-OYT1T01306.htm

中国への抑止力確保…米、空母11隻態勢を維持

 【ワシントン=今井隆】
 ヘーゲル米国防長官が24日に発表した2015会計年度(14年10月~15年9月)の国防予算に関する方針は、アジア太平洋地域を重視する米軍の戦略を反映し、中国の海洋進出を抑止する海空軍の能力向上と即応性の維持や、サイバー対策に重点が置かれた。

 ヘーゲル氏は24日の記者会見で、
 「アジア太平洋地域へ作戦上の焦点を当て、部隊の移行を継続する」
と強調した。
 陸軍は第2次世界大戦後では最も小さい規模まで縮小することになるが、在日米軍の兵力は維持される公算が大きく、今回の方針が日本の安全保障環境に与える影響は限定的とみられる。

 現状の空母11隻態勢を維持するのは、海洋進出を図る中国軍に対する抑止力を低下させないことに主眼がある。
 在日米軍の主力とも言える海空軍と海兵隊の兵力規模は、おおむね現行計画に沿ったもので、老朽化した装備の退役・廃止などが予算削減の中心となっている。



毎日新聞 2014年02月25日 22時11分(最終更新 02月25日 23時53分)
http://mainichi.jp/select/news/20140226k0000m030093000c.html

米国防予算:海空軍への影響抑制…アジア太平洋に重心


●ヘーゲル国防長官が示した主な方針

 【ワシントン西田進一郎】ヘーゲル米国防長官が24日に発表した2015会計年度の国防予算の概略は、現在約52万人の陸軍兵力を今後数年で44万〜45万人に減らす方針を打ち出した。
 大規模な地上戦への対応から、テロ対策などの特殊作戦や、技術的優位性の維持を重視する方針へと転換する姿勢を鮮明にした形だ。
 また、財政的な制約の中、「世界で最も力のある軍隊を維持する」(米軍高官)ため、アジア太平洋などへの前方展開を念頭に、抑止力のカギとなる海空軍への影響をできるだけ抑えようという姿勢がにじんだ。

 「より小規模で能力が高い兵力」。
 ヘーゲル長官は記者会見で、今回の方針で求める米軍像をこう表現した。
 国防予算の削減による兵力数や装備などの量的な減少が避けられない。
 長期にわたる大規模な地上戦はもはや想定せず
 兵力数や装備の削減で生み出した財源を、即応力や他国に対する軍事技術的な優位性の維持、特殊作戦やサイバー対策にあてる考えを示した。

 国防費削減の矢面に立たされたのが、約52万人から1割以上の削減方針となった陸軍だ。
 大規模削減に伴い、国内基地の統廃合でも陸軍基地が焦点となる見通しだ。
 逆に、中東やアフリカのテロ掃討作戦などを念頭に、国際テロ組織アルカイダの指導者ウサマ・ビンラディン容疑者の殺害を実行したような特殊作戦部隊を増強する。

 一方、ヘーゲル長官は
 「国防総省は運用の焦点と兵力をアジア太平洋に移し続けるとともに、中東や欧州のカギとなる同盟国、友好国への関与も維持する」
と語り、アジア太平洋へのリバランスを引き続き進める考えを改めて示した。
 名指しこそ避けたが、海洋進出を強め、接近阻止・領域拒否(A2AD)戦略をとる中国が念頭にあるのは間違いない。

 シンガポールに既に配備され、日本にも配備予定の新型沿海域戦闘艦(LCS)は
 「敵が能力を向上させており、我々の艦船も十分な能力、生き残る可能性を確かにする必要がある」(同省高官)
と判断。
 現状のままの調達数を減らし、より有能な艦船の導入に向けた検討をするよう海軍に指示した。
 また、抑止力の象徴である空母は、原子力空母「ジョージ・ワシントン」を含めた11隻体制を当面維持する。

 空軍も、冷戦期に旧ソ連の対戦車攻撃のため設計されたA10攻撃機を最新鋭ステルス戦闘機F35に交代させることや、
 製造開始から50年となる有人のU2偵察機を退役させて無人偵察機グローバルホークにすることなど、
 技術的な優位性や効率的な運用をより重視する。


東南アジアに展開する沿海域戦闘艦 LCS1 フリーダム

 公開日: 2013/02/27
以前から、シンガポールに配備されると言われ、中国が反発していた 米海軍の沿海域戦闘艦ですが、1番艦の LCS1 フリーダム が この春に東南アジアに展開されるようで、そのための迷彩塗装が施され、現在 試験中です。


沿海域戦闘艦(えんかいいきせんとうかん LCS, Littoral combat ship)=wikipediaより

 沿海域戦闘艦(えんかいいきせんとうかん LCS, Littoral combat ship)はアメリカ海軍が現在開発中の新型戦闘艦。
 沿岸戦闘艦または沿岸海域戦闘艦と翻訳される場合もある。

 アメリカ海軍が大量建造を計画している小型の水上戦闘艦。
 従来のフリゲートにおおむね相当するが、ネットワーク中心戦などの新しいコンセプトに基づき、高度なセンサーやデータ・リンクなど電子兵器、無人兵器などを搭載して、沿海域での戦闘の主役となる。

 2013年1月現在、ノースロップ・グラマン社とジェネラル・ダイナミクス社がそれぞれ示した設計に基づきプロトタイプとしてフライト0が建造されて試験を受けており、その結果に応じて、量産型としてフライト1が建造されることになっている。

 ただし、対テロ戦争などの戦費負担、事故による建造遅延、および、想定任務の増大に伴うコンセプトの変更、調達コストの増大などを受けて、計画の見直しが検討・実施されている。



沿海域戦闘艦 LCS 1 フリーダム


沿海域戦闘艦 LCS 2 インディペンデンス


沿海域戦闘艦 LCS 3 フォートワース


沿海域戦闘艦 LCS 4 コロナド






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