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サーチナニュース 2014-02-07 15:43
http://news.searchina.net/id/1523486
人民日報が米国の格差問題を批判「政策が悪いからだ」
7日付人民日報は
「『アメリカの夢』は徐々に遠のくのか?」
と題する論説を掲載した。
米国で格差問題が深刻と紹介し、その最も大きな原因は不公平な政策だと主張した。
論説はまず、米国第36代ジョンソン大統領が1964年1月8日に、同国の貧困率が19%にのぼったとして「貧困への宣戦布告」を行い、富の格差の縮小させる政策を打ち出したと紹介。
しかし
「ちょうど半世紀が経過したが、米国は現在も深刻な貧困と富みの不均衡に直面している」
と主張した。
現在のオバマ大統領も、最低賃金の引き上げや男女の収入差の問題の問題に意欲を示していると紹介した上で、
「オバマがこれらの問題を取り上げようとするといつも、強烈な反対に遭遇する」
と論じた。
米国で貧富の格差が拡大しつつあることについては、
「社会保障の体系が実際には極めて脆弱(ぜいじゃく)で、漏れが多い」、
「過去においては、企業のトップの報酬が普通の労働者の20-30倍だったが、現在では273倍」
などと、紹介した。
ハフィントン・ポストの掲載記事を引用して
「米国社会における不公平という現象は自然に発生したものでない。
米国政府の一連の、資源を経済的エリートや富裕層に振り分ける政策で、不公平さが生じた」、
「大きくて倒産しない銀行のために、ウオールストリートにある銀行だけでも、毎年800億ドルの補助をしている。
食品関連や他の凝集に対する補助よりも、はるかに大きな額だ」と、格差問題について米国内で「政策の問題」との見方が強いと紹介した。
論説は、米国では中産階級が委縮していると論じ、
「『ラグビーボール』型の収入分布がもたらしていた米国社会の強みが、今まさに弱まりつつある」
と主張した。
』
踏んだり蹴ったりのオバマである。
『
ウォールストリートジャーナル 2014年 2月 05日 16:02 JST
http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702303996604579364030128000564.html?dsk=y
【オピニオン】死に向かうオバマ大統領のアジア・ピボット戦略
By MICHAEL AUSLIN
オバマ大統領のアジア政策にもたらされた直近の悪い知らせは、一見するとアジアとはあまり関係がなさそうだ。
先週、米上院のハリー・リード民主党院内総務は、大統領貿易促進権限(TPA)、通称ファストトラック(早期一括審議)権限に関する法案を上院で審議するつもりはないと表明した。
ファストトラック権限が大統領に付与されれば、貿易協定をめぐる政府間交渉が円滑に進む見通しだ。
その結果、議会は賛否の票を投じるだけとなり、修正を施す余地を失う。
リード院内総務は何よりも国内の政治的な懸念からこの法案に反対している。
ところが、その決意は、環太平洋連携協定(TPP)に関する数年間に及ぶ交渉を覆すことにもなる。
というのも、そうした交渉から生じたいかなる取り決めにも議会の承認が必要となり、その先行きが不透明になるからだ。
●リード上院院内総務(民主党、ネバダ州)
オバマ大統領のアジアへの軸足移動が岩礁に乗り上げている理由がこの一件で明らかになった。
要するに問題は、レトリックだけで議会の賛成が得られると決めてかかって多くを約束し過ぎてしまい、複雑な戦略的転換を実行するのに必要な政治工作をほとんどしてこなかったことなのだ。
リード院内総務がこうした行動に出た原因の大半は、オバマ大統領自身にある。
議会における自由貿易支持派も企業経営者たちも、これほど重要な問題への取り組みにオバマ大統領がほとんど時間を割いていないと公言しているぐらいだ。
アジア・ピボット戦略は他の意味でも、ワシントンにおける注意散漫と無関心の餌食になってしまっている。
TPPはそもそもリバランスという三脚の一脚、経済部分を担うはずだった。
残りの二脚は増幅された軍事的存在感と新たな政治的関与である。
この二脚に関しても特に強力というわけではない。
一貫した安全保障戦略の欠如のせいで、東アジアの海と空の主導権は中国に握られてしまった。
中国政府は昨年11月、東シナ海の大部分を覆う防空識別圏(ADIZ)を設定して物議を醸したが、
アジアの同盟国ほど懸念しているように見えない米国政府からの公式な反応は控えめなもの
でしかなかった。
中国は最近、南シナ海で操業する外国漁船に関して中国の巡視船に身元を明らかにすることを要求したが、これについても米国からの反応はほとんどなかった。
世界的に配備する航空母艦をわずか2艦に削減するという先週の米海軍の発表は、世界中で多くの国々との義務を果たしたり、不測の危機に対応したりする米国の能力に関して新たな懸念を浮上させた。
しかも、アジアの危険に対するオバマ大統領の関心度は日に日に低下しているようだ。
国内での予算案をめぐる対立を理由に昨年の東南アジア諸国連合(ASEAN)会合への欠席を決めたことは失敗だった。
今やケリー国務長官は中東問題を優先させている。
米国のアジアでの二大同盟国、日本と韓国が首脳会談もできず、
中国の新聞が臆面もなく日本との戦争に思いをめぐらせるなか、米国政府はほぼ完全にこうした問題への関与を避けている。
米国政府にとっての本当の危険は、自らが張子の虎と見られるようになることである。
オバマ政権はアジアでの目標をこれまで明確にしてこなかった。
それは民主主義と自由主義を促進することなのだろうか。
中国の人権侵害に立ち向かっていないこと、他の民主主義国を団結させていないことからすると、それが優先事項の上位にあるとは思えない。
中国を抑え込むことだろうか。
アジア・ピボット戦略のそもそもの誘発要因は中国の冒険主義を思いとどまらせることにあるということは誰もが知っているが、
ワシントンでそれを口にする者などいない。
その代わり、ワシントンはそのプレゼンスを維持する理論的根拠が思いつかない間に状況が悪化しないことを願って、現状維持を重視する存在となっている。
シーレーンの安全を確保するという概念は、1945年以来、公海での自由な航行が脅かされたのを目にしたことがない米国民の感情をかき立てるものではない。
一方、韓国との同盟を除く米国の同盟関係は時代遅れであり、2010年代というよりも1950年代の状況に適合している。
以前よりもずっと独断的で威圧的な中国にでさえ、戦争にうんざりしている米国民が怒りを覚えることはほとんどない。
軍事力で一方的に国境を変えようとするほど中国はバカではないと思っているからだ。
米アップルの「iPhone(アイフォーン)」が中国で組み立てられていること、中国政府と日本政府で2兆ドル近い米国債を保有していることは誰もが知っている。
それでも平均的な米国民は、アジアの安定と平和を維持するために米国人が血を流す価値はない、米国政府が継続的に防衛予算を割く価値すらないかもしれないと考えている。
日本や韓国といった豊かな同盟国がどうしてもっと大きな役割を果たさないのかと疑問に感じている。
遠くの海にある岩礁をめぐって戦闘するという考えを受け入れることができないのである。
こうしたことを踏まえると、TPPに関連したファストトラック権限のようなアジア政策をオバマ大統領が明確に説明するのに苦労していることもうなずける。
米国のアジアとの関係に関するより広いビジョンについて有権者と民主党議員を説得することに失敗した結果、そうした政策の構成要素を売り込むこともほとんど不可能になってしまった。
そういう意味でTPPは、オバマ大統領が好む無意味な騒音と激情の間接的な犠牲者になったと言えるだろう。
(マイケル・オースリン氏はアメリカン・エンタープライズ研究所の日本部長で、wsj.comのコラムニストでもある)
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