2014年2月13日木曜日

危険な火遊びに突き進む中国:火遊びはエスカレートする一方

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●覇権主義 中国は南シナ海の大半を実効支配しようとしている Guang Niu-Reuters


ニューズウイーク Newsweek 2014年2月13日(木)13時11分 
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2014/02/post-3182.php

南シナ海
領有権拡大に突き進む「中国の危険な火遊び

 周辺国を挑発しながら支配海域の拡大を狙う中国の「度胸試し」が過激さを増している。
 先週、マレーシアから80キロほどの位置にある南シナ海のジェームズ礁(中国名・曽母暗礁)で、あるセレモニーが行われた。
 中国海軍の艦艇3隻が、この海域の主権を宣言する「主権宣誓活動」を実施したのだ。

 中国は石油や天然ガスが豊富に眠る南シナ海の地図上に「九段線」と呼ばれる9本の線を引き、南シナ海の大半について領有権を主張している。
 ジェームズ礁も九段線の内側に位置するが、同じく領有権を主張してきたマレーシアは、近隣に海軍基地を建設して対抗する構えだ。

 ジェームズ礁での宣誓式は、中国が推し進める領有権拡大戦略の一端にすぎない。
 中国が日中対立の火種である尖閣諸島(中国名・釣魚島)を含む東シナ海上空に防空識別圏(ADIZ)を設定したのは昨年11月。
 中国はその後、偵察機によるこの空域の飛行を繰り返している。

 昨年12月には南シナ海の公海上で、中国海軍の艦船が米海軍の巡洋艦の航路を妨害。衝突を避けるため、米軍側は緊急回避行動を取らざるを得なかった。
 
 さらに先月、中国南端に位置する海南省が南シナ海の200万平方キロの海域で操業する「すべての外国人と外国漁船」に対し、中国当局の許可を得るよう義務付けた。
 ベトナムやフィリピンとの領有権争いが深刻化している海域も含まれており、近隣諸国は猛反発している。

 今のところ、こうした対立が軍事衝突に発展したり、中国が領有権を公式に握る事態には至っていない。
 とはいえ、挑発を繰り返して既成事実を積み重ねる中国の手腕は実に巧妙で、着実に成果を挙げている。

 その影響を受けるのは周辺諸国だけではない。
 南シナ海は国際貿易における重要な輸送ルートであり、中国の実効支配下に置かれれば影響は大きい。
 アメリカにとってはタイや韓国、日本、フィリピン、オーストラリアといった同盟国の軍事に関わる問題でもある。

 だが軍事衝突を避けるとすれば、アメリカの選択肢は限られている。
 特に日中の対立緩和に向けてできることは多くない。
 「日中両国がメンツを保ちながら引き下がるのは困難だ」と、日中関係に詳しい香港大学の張維良(チャン・ウエイリアン)は言う。
 その方法を見つけなければ、中国の危険な火遊びはエスカレートする一方だが。

[2014年2月11日号掲載]
ベンジャミン・カールソン



サーチナニュース 2014-02-28 12:23
http://news.searchina.net/id/1525527

中国国防部「新たな防空識別圏の設定、各要素を総合的に考慮する」

 中国政府・国防部の楊宇軍報道官は27日の記者会見で、新たな防空識別圏について、
 「中国には設定の権利がある」、
 「各要素を総合的に考慮して決める」
と述べた。
  楊報道官は
 「防空識別圏は領空ではなく、飛行禁止空域でもない。
 防空識別圏の設定は、領海や領空の範囲を変更することでない」
と説明。
 防空識別圏について
 「中国はひとつの主権国家であり、設定の権利がある。
 ただし、防空識別圏は、空の安全が直面している脅威の程度によって設定するものであり、各要素を総合的に考慮して決める」
と述べた。

  中国が南シナ海で防空識別圏を設定するとの見方が出ていることについては、
 「中国は、南海(南シナ海の中国側呼称)周辺国家に対する関係と南海の総合的な情勢の安定を保てると信じている」
と述べ、
 「否定的だが完全に否定はしない」説明に終始した。

  日本で、中国が南シナ海に防空識別圏を設定するとの見方が出ていることについては
 「日本の右翼勢力が最近になって何度も、中国はすぐにでも南シナ海に防空識別圏を設定すると騒いでいる。
 その目的は(日本の右傾化や軍国主義復活に対する)国際的視線をそらすことだ。まったく陰険で、本心が図りがたい」
と批判した。
 なお同発言は、記者が「日本の報道によると」と前置きしてから、南シナ海における防空識別圏設定について質問したことに回答した。
 楊報道官は日本非難に終始したが、実際には米国務省のハーフ副報道官が1月31日、中国が南シナ海上空に防空識別圏を拡大すれば、
 「(地域の)緊張を高める挑発的で一方的な行為とみなす」
と改めて警告するなど、同問題については米国が強い関心を示している。
 仮に中国が南シナ海に防空識別圏を設定したとしても、日本にとって、島の領有などの領有権を巡る純粋な国防的問題として、直接に深刻な影響が出るわけではない。
 ただし、米国にとっては太平洋を巡る軍事バランスの関係で部隊配備を再検討せざるをえなくなるなど、直接の影響が出てくる可能性がかなり高く、神経質にならざるをえない事情がある。
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  ◆解説◆  
 防空識別圏とは、各国が防空上の必要から、領空とは別に設定した空域。
 領空とは領土と領海の上空(大気圏外は除かれる)を指す。
 領海は海岸線から12海里(約22キロメートル)であるため、“悪意ある”航空機が領空に侵入してからでは防衛の対応が極めてむずかしい。
  防空識別圏は空からの侵入に対する早期対応のために設けられるもので、主権が認められているわけではない。
 防空識別圏に届けのない航空機が侵入した場合には戦闘機を向かわせて警告する。
 指示に従わない場合には強制措置を含む対応を行うこともありうる。
 国防担当部署は防空識別圏に対して、監視を常時行うよう努める。
 民間機を含め、進入する航空機には識別と証明を求める。
 ただし、事前の飛行計画の提出について強制力はないとされる。
  なお、米国は2001年9月11日に発生したテロ事件の後、メリーランド州ボルチモアとワシントンD.Cにまたがる首都地域について、領空内の飛行許可を得ている民間航空機などの侵入も絶対に許さない特別な防空識別圏を設けた。



サーチナニュース 2014-03-10 11:23
http://news.searchina.net/id/1526337

中国海軍は「張子の虎」、米軍と戦えば負ける
・・・「中国の海洋戦略は他国の侵略を防ぐ防衛」=豪紙



 オーストラリアの日刊紙・オーストラリアンは7日、「中国海軍は『張子の虎』であり、米軍と戦えば必ず負けるだろう」と論じた。
 環球網が報じた。  中国海軍が2月にインドネシアとオーストラリアに挟まれた海域で軍事演習を行った際、オーストラリアは中国軍の動きを警戒し、偵察機を派遣した。
 しかし、オーストラリアンは
 「中国側の動きは重大事件にはあたらず、また、中国海軍が将来的に西太平洋を主導する立場になることを示すものではない」
と主張。

 その理由として
 「西側の先進的な海軍に比べて、中国海軍は兵士の輸送力など持久力の面で遥かに劣るからだ」
と論じ、
 「中国は現代の海戦、航空戦の経験がないため、公海上で米軍と戦えば、中国は必ず敗れ去るだろう」
と主張した。
 海上貿易に対する依存度の高い中国は今後、海上ルートに対する安全保障をさらに重視するようになるだろう。
 海上ルートを守るうえで最適な方法は同盟国と分担して海上の安全を守ることだが、アジアに同盟国が少ないことが中国にとって頭の痛いところであろう。
   また、広大な国土を抱える中国は、多くの国と国境を接しているうえ、大量の地上部隊を投入しなければならない。
 ハーバード大学のロバート・ローズ氏は
 「ソ連、ドイツ、フランスなど、
 「陸地型国家」はいずれも制海権の獲得に失敗してきた」
と指摘。
 中国にとって
 最適な海洋戦略は他国の侵攻を防ぐ「防衛」
であると論じた。



【劣化する人心と国土】



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