●写真は北京の建築現場に掲げられた中国国旗。昨年11月撮影(2014年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
いよいよ始まった、中国「影の銀行」のデフォルト。
中央政府と地方銀行の攻めぎあいがしばらく続くだろう。
おそらく、来年あたりに持ちこたえられなくなってドツドツドツーと将棋倒しがくるだろう。
あっちこっちで火がつく可能性がある。
当局はどこまで抑えきれるか。
とても尖閣どころの騒ぎではなくなるかもしれないが。
しばらくは注視の中国のバブル騒動である。
『
ロイター 2014年 02月 12日 17:19 JST
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPTYEA1B04M20140212
中国の「影の銀行」セクターでデフォルト、
吉林省信託組成の投資商品で=報道
[上海 12日 ロイター] -
実態が見えにくいことから懸念が広がっている中国の「影の銀行(シャドーバンキング)」問題に絡み、中国の国営メディアは12日、負債を抱えた石炭会社、山西聯盛能源への融資を裏付けとした高利回り投資商品の返済が滞った、と伝えた。
この商品は吉林省信託が組成したもので、中国建設銀行(CCB)を通じて富裕層の顧客から2億8900万元(4770万ドル)の資金が集められた。
上海証券報がこの信託商品の投資家の話として報じたところによると、償還日は2月7日だったが、資金がいつ返済されるかめどが立たないという吉林省信託からの通達をCCBが伝えてきたという。
償還期日が過ぎており、テクニカル・デフォルトとなっているものの、吉林省信託は投資家の資金を取り戻すために努力しているもようだ。
同紙によると、匿名の吉林省信託関係者は
「われわれが知る限り、当社の資産に問題はない。
当社は投資家と交渉中だ」
と述べた。
ロイターは今のところ、吉林省信託からコメントを得られていない。
問題の商品は「松花江(77)号山西福裕能源項目収益権集合資金信託計画」の第4トランシェ。
2012年2月に投資家から2億8900万元を集め、年率9.8%のリターンを約束していた。
同紙によると、2011年終盤にローンチされた第1─3トランシェ(計4億7400万元)も昨年終盤に期日を迎えたが、予定通りには償還されなかった。
第5─6トランシェ(計2億0900万元)は今後数週間以内に償還を迎えるという。
返済の遅れによるテクニカル・デフォルトはこれまでにも発生しているが、市場関係者は、投資家が損失を強いられる前例となるデフォルトを影の銀行セクターが待っている状態だと指摘している。
こうしたデフォルトが実際に発生すれば、高利回り商品でも国有銀行の暗黙の保証があるという、一般に広まった考え方が覆されることになる。
ただ、吉林省信託は依然として投資家への返済方法を模索しているとみられる。
中国の影の銀行部門をめぐっては先月、今回と同様に山西省の石炭会社向け融資を裏付けとする投資商品がデフォルトが懸念される事態となったものの、匿名の投資家が裏付け資産を購入したため、投資家が損失を回避できたという経緯がある。
*内容を追加して再送します。
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【参考】
『
日刊ゲンダイ 2014年2月14日 掲載
http://gendai.net/articles/view/news/147968
中国・影の銀行がデフォルト 「71兆円」焦げ付きの恐怖
リーマン・ショックを超える金融危機
●高層マンションが立ち並ぶ北京市内/(C)日刊ゲンダイ
ついに中国・影の銀行(シャドーバンキング)がデフォルトした――。
13日、衝撃のニュースが市場を駆け巡った。
吉林省の信託会社が発行し、大手銀行の中国建設銀行が販売した高利回り(9.8%)の理財商品が、期日までに償還されなかったのだ。
「償還日は2月7日で、金額は130億円程度と伝わっています。
発行した信託会社は、これまでのところ返済不能とは言わず、遅延しているに過ぎないとしていますが、返済のメドは立っていないようです」(市場関係者)
専門家は、
「償還期限を過ぎているのでテクニカル・デフォルトと呼びます。
今後、発行元が投資家に返済不能と通知したら、本格デフォルトとなります」
と話す。
そのせいか、大手紙は「デフォルトか」という表現にとどめているが、
ロイター通信は「影の銀行セクターでデフォルト」と断じている。
理財商品のセミナーに出席したことのあるマーケットアナリストの豊島逸夫氏もこう見ている。
「中国政府が救済に踏み切る可能性は低いと思っています。
何度も救済すると、中国の投資家は、最後は誰かが助けてくれると勘違いしてしまうからです」
影の銀行のデフォルト騒ぎといえば、1月下旬にも500億円規模のデフォルト危機が市場で騒がれた。
このときは政府筋と思われる謎の投資家が突然登場し救済に動いたが、今回は、すでに償還日を過ぎている。
政府は見て見ぬフリを決め込んだと判断すべきだろう。
となると、130億円の本格デフォルトは避けられそうにないが、これは氷山の一角だ。
豊島氏は、
「14年末までに推定70兆円の理財商品が満期を迎える」
と言う。
しかも、そのうち8兆7500億円程度が償還不能だと伝わる。
全体の12.5%だ。
中国当局が公表した理財商品の残高は130兆円(13年3月末)だが、
米JPモルガン・チェースは4倍以上となる約570兆円(12年末)と試算した。
日本のGDPに匹敵する規模だ。
もし12.5%が焦げ付くと、71兆2500億円。
途方もない巨額デフォルト危機を中国は抱え込んでいる。
「シャドーバンキングは中国人民が投資しているので、世界の金融機関は被害を受けないと楽観視している金融関係者がいますが、それは違う。
シャドーというぐらいですから、資金の流れは不明。
香港経由で日米欧の資金が大量流入していると見るべきです」(市場関係者)
第一生命経済研究所の西濱徹氏が言う。
「理財商品の大量償還は1月、4月、7月、10月の月末に集中しています。
これまでも、こうした時期に危機が浮上してきました」
次の大量償還は4月末。リーマン・ショックを超える金融危機が勃発し、世界恐慌の引き金を引く可能性は高まっている。
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■.ロイターの第二弾
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ロイター 2014年 02月 14日 16:22 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYEA1D05320140214/
中国「影の銀行」6社に新たなデフォルト懸念、石炭会社向け融資で=報道
2月14日、報道によると中国の「影の銀行(シャドーバンキング)」取引のデフォルト危機で注目される経営難の石炭会社、山西聯盛能源に対し、国内の信託会社6社が総額50億元(8億2460万ドル)以上を融資していたことが分かり、新たなデフォルト懸念が浮上している。
[上海 14日 ロイター] -
中国の「影の銀行(シャドーバンキング)」取引のデフォルト危機で注目される経営難の石炭会社、山西聯盛能源に対し、国内の信託会社6社が総額50億元(8億2460万ドル)以上を融資していたことが分かり、新たなデフォルト懸念が浮上している。
中国証券報が14日、匿名筋の話として伝えた。
上海証券報は今週、吉林省信託が組成し、中国建設銀行が販売した高利回り投資商品の返済が滞ったと報道。
この商品は山西聯盛能源への融資を裏付けとしていた。
長安国際信託のウェブサイトによると、同社は昨年3月、山西聯盛能源の系列会社に関連した投資商品12億元相当を販売。
この商品は数週間以内に償還期限を迎えるという。
同社の広報担当者からのコメントは得られていない。
中国証券報は、山西聯盛能源に融資した他の信託会社5社の名前は挙げていない。
山西省の裁判所は昨年、山西聯盛能源のあらゆる債務の残高は300億元にのぼり、同社が債務再編を申請したと明らかにしていた。
これとは別に、21世紀経済報道は14日、山西聯盛能源への融資を裏付けとした高利回り投資商品の投資家が、吉林省信託だけでなく、商品を代理販売したCCBにも返済を求めていると伝えた。
同紙によると、投資家は吉林省信託の投資商品を購入するための書類や送金の手続きはすべてCCBで行われた上、CCBの販売員は商品にリスクはないと説明したと主張。
一方、山西省のCCB幹部はこの問題の責任は同行にないとあらためて表明した。
CCBはコメントの求めに応じていない。
中国証券報によると、山西省の当局者は、信託会社や商業銀行を含めた山西聯盛能源の債権者とともに債務再編の調整に奔走している。
調整がうまくいけば、信託商品の投資家への支払いが最終的に実現する可能性がある。
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