2014年2月28日金曜日

「国土を悪魔に売った国」②:北京市民は「汚染疲労」を動かしがたい宿命であると感じている

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レコードチャイナ 配信日時:2014年2月28日 7時50分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=84129&type=0

中国人は「汚染疲労」を起こしている―米紙

●25日、米紙ロサンゼルス・タイムズによると、大気汚染が深刻な中国で、多くの人がマスクをせずに外出していることについて、専門家は「汚染疲労が起きている」と指摘した。写真は北京の大気汚染。

 2014年2月25日、米紙ロサンゼルス・タイムズによると、大気汚染が深刻な中国で、多くの人がマスクをせずに外出していることについて、専門家は「汚染疲労が起きている」と指摘した。
 27日付で参考消息網が伝えた。

 連日濃いスモッグに覆われている中国では、国営メディアの新華社が人々に屋外での活動を控えることや、マスクの着用を呼びかけているが、その効果は薄い。

 朝の北京の地下鉄では、マスクをしている人は少なく、公園でバドミントンや卓球、バスケットボールをしている人たちも同様だ。
 そのほか、公共施設の管理人や、仕事で外に出ている人たちもマスクをしていない。

 北京で働くシンシア・リチャード医師は、
 「人々の防護意識はまだまだ改善の余地がある」
と指摘する。
 大気汚染は病気などと違い、すぐに死亡する危険がないことも多くの人がマスクをしない理由となっている。

 リチャード医師によると、
 北京市民は「汚染疲労」を起こしている
という。
 「人々は大気汚染にうんざりし、それが宿命であるかのように感じているようだ。
 だが、これは決して健全な心理状態ではない
と話している。


 「この国が経済成長を一時中断し、国土の回復に取り組む」
などということはない。
 ということは、中国国土は時間の経緯とともに劣化していく。
 そして疾病が蔓延した国となり、人民の活力が奪われていく
 北京は年に大半は太陽をみることのない都市となtり、人々は屋内生活者になる。
 そして最後は人が住めない街になる。
 圧縮成長がもたらしたヒズミは生態系を壊し、生物を絶滅に追い込む。
 後世、共産党は国を滅ぼした悪行組織として中国歴史に刻まれる
そんな可能性が大きい。
 この歪んだ成長を生み出すのに30年しかかからなかった。
 あと30年もすれば、
歪んだ国土、経済廃棄汚染国土
として誰も見向きもしない国になるだろう。
 そんな想像をしても、あながち間違いではない、と思えるのが恐ろしい。


サーチナニュース 2014-02-28 12:19
http://news.searchina.net/id/1525522

北京の慢性的な大気汚染に市民「マスクする気なし」
・・・心理的な疲弊感=米メディア



 中国メディア・環球時報は27日、世界中で話題となるほど深刻な大気汚染に見舞われている北京市民の多くが、なおもマスクを着用するなどの対策を取っていないと米紙ロサンゼルス・タイムズが報じたことを紹介した。
 
  記事は、運動愛好者であるという84歳の男性が
●.「マスクは役に立たないと思っている」、
●.「何がどうあれ、今の生活に満足している」、
●.「毛沢東時代は風雨の中で働いてきた。今の状況は大したことない」
と語ったことを紹介したうえで
●.「驚くべきことに、多くの人がこの男性の考えと同じなのだ」
と伝えた。
 そして、多くの人が汚染対策を何も取っておらず、北京の地下鉄車内や公園、屋外作業現場では基本的にマスクをしていないとした。
  一方で
●.「もちろん、予防措置を取る人も少しずつ増えている」
として、マスクが品薄になっていることや、高価な空気清浄機が贈り物として人気があることなども紹介した。
  そのうえで、北京市民の大気汚染に対する態度について
★.「致命的な伝染病やウイルスよりも、大気汚染は突然死に至るケースが少ないことが、市民がなぜ予防を重視しないかを説明するカギになるかもしれない」
と論じた。
 また、北京市民は汚染に対して心理的な疲労をみせているとし、
★.「宿命論まで出てきた」
と語る北京在住医師の見立てを紹介した。
 「喉元過ぎれば熱さを忘れる」という言葉があるが、北京市民の現状は「喉元通らねば熱さ分からず」といったところだろうか。
 「熱さ」を感知したときにはすでにも取り返しのつかない状態に
などということがなければいいのだが。



レコードチャイナ 配信日時:2014年3月1日 1時36分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=84167&type=0

中国人はなぜマスクをしないのか、信じられない理由の数々―米紙

 2014年2月25日、ロサンゼルス・タイムズは、深刻な大気汚染が続いている中国・北京で、マスクをして外出している市民が極めて少ないことに注目。
 その理由を探った。
 27日付で参考消息(電子版)が伝えた。

 微小粒子物質「PM2.5」の警戒警報のうち、上から2番目のオレンジ警報が6日間連続で発令されている。
 150の工場が生産を停止あるいは制限し、路上では散水車が水を撒いている。
 新華社は外出時にマスクをするよう呼びかけているが、北京市民はあまり気にしていないようだ。
 84歳の高齢男性は
 「(市当局が)ただ大げさに言ってるだけだ。
 それにマスクをしても役には立たないだろ
と平気な様子。

 1日中、屋外で働く公園管理員の男性もマスクをしていない。
 「職場が支給してくれればマスクをするけど、たまにしか支給されない」
と話す。
 怖くないのかとの質問には「農村出身ですから」と答えた。
 「辛い生活に耐えてきた農民は、どんなことにでも耐えられる
と思っているようだ。

 マスク着用を禁じている機関もあるようだ。
 ある大使館の入り口に立つ若い武装警察官もマスクなしだ。
 「なぜマスクしないの?」
と聞くと、
 「しませんよ。規則ですから」
と答えた。

 北京で働く米国人医師・リチャード氏は
 「SARS(重症急性呼吸器症候群)や鳥インフルエンザのように、ただちに死につながる病であれば、人々は感染を恐れてマスクをする」
と指摘。
 大気汚染の影響を市民が実感できないことを、マスク着用が普及しない理由の1つに挙げている。
 さらに同氏は
 「あまりにもひどい大気汚染に慣れ過ぎた北京市民は、
 これも運命だ
と大気汚染そのものを受け入れてしまっている
と説明。
 北京市民の多くがマスク着用に消極的な理由に、こうした心理状態が隠れていると指摘した。


生きることに諦めをもってきている。
 つまり
 「死ぬときは死ぬさ、じたばたしてもしかたあるまい
ということなのだろう。
 世紀末宿命論
 これが一番わかり易い説明かも。


レコードチャイナ 配信日時:2014年2月28日 14時33分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=84034&type=0

心理学専門家「スモッグとうつの関係を裏づける根拠はない」―中国

   2014年2月25日、スモッグが中国全土を再び覆い尽くそうとしている。
 北部各大都市の街頭では、「完全武装」した市民の姿が当たり前のように見られるようになった。
 新華網が伝えた。

 今回の深刻な煙霧への対策にあたり、人々は大気の質の劣悪さを指摘する以外に、煙霧天気が続くことで精神状態に何らかの悪影響が及ぶのではないかと心配し始めている。
 「いらいら・焦り」「眠気」「活動効率の低下」などが、煙霧が原因で起こり得る症状の「キーワード」となっている。
 煙霧は「こころの風邪(うつ病)」の原因となり得るという。
 煙霧が「肺」だけではなく「こころ」にもダメージを及ぼすという説は、果たして正しいのだろうか?
 専門家はこれについて、
 「今のところ、煙霧とうつとの関係を裏づける研究成果は存在しない」
と指摘した。

 スマホ向けチャットアプリ「微信(WeChat)」では、ここ数日、「煙霧のせいで気分が沈みがち」といった内容の投稿が至る所に見られ、多くのユーザーがそれに同意している。
 誰もが期せずして「煙霧と気分の落ち込みは関係がある」と感じている原因は、一体どこにあるのだろうか?
 各大型フォーラムにおいて、ユーザーから寄せられた意見で最も多かったのは、
 「日照量は体内のメラトニン分泌に影響を及ぼす。曇りの日は、メラトニンの分泌が多く、細胞の活性化に影響が及び、気分が落ち込みやすい
という見方だった。

 この「科学的」意見について、北京大学心理学部の鐘傑(ジョン・ジエ)准教授は、次の通り説明した。

  メラトニンの分泌量とうつとの間に相関関係があることは否めない。
 だが、この種の影響は、白夜や極夜の現象が見られるロシア、ノルウェー、デンマークなど高緯度地域の国々に限定される。
 今回、煙霧がかなり深刻な北京市・天津市・河北省地エリアは、それほど高緯度に位置しておらず、
 長期にわたり日照時間が不足する現象が生じることはない。
 このため、これらの地域に住む市民がメラトニンと関係するうつ症状を呈する可能性もない。

 これで「曇天シンドローム」の謎が解き明かされ、煙霧が「うつ」の口実とはならなくなった。
 鐘准教授は、
 「多くの人が、煙霧が発生すると気持が落ち込むと感じる理由は、普段の気持ちの抑制やコントロールに問題があるからだ。
 煙霧天気は、マイナス気分を発散するための手段・言い訳のひとつに過ぎない」
と指摘する。

 鐘准教授はさらに、
 「今後、煙霧によってうつが生じるといった誤解が再び広まることのないよう、政府は、科学的普及・PR活動を強化し、市民が煙霧に対して正しく対処するよう導く必要がある。
 また、市民も、日常生活において、気分のコントロールやストレスの解消をいっそう心がけるべきだ」
とアドバイスしている。

 多くの市民が「煙霧が原因で生じた」と思いこんでいる「心理的な落ち込み」への対処法について、南開大学精神衛生指導センターの袁辛(ユエン・シン)センター長は、以下の通りアドバイスしている。

 規則的に休息をとることは、良い精神状態を維持する上での重要な方法だ。
 「飲食」と「休息」がこころに及ぼす影響は、天気による影響などはるかに及ばないほど大きい。
 不規則な時間に量的にばらばらな量の食事をとり、執務時間と休憩時間もまちまちであれば、こころにかなり深刻なダメージが及ぶ。
 室内エクササイズなどで身体を鍛え、映画を観る・小説を読むなどして気持ちをリラックスさせ、日常生活での活動量を保つよう心がけると良い。
 また、煙霧による健康被害を考慮し、長時間屋外で過ごすことは極力避けるべきだ。

 煙霧に対しては、過敏にならない程度に注意するのが最良の方法だ。
 日常生活に支障をきたすほど煙霧を気にし過ぎると、かえって気分が落ち込み、さらに進むと抵抗力が低下する。
 最も大切なことは、煙霧を適宜予防し、落ち着いた気分で毎日を過ごすことだ。

(提供/人民網日本語版・翻訳/KM・編集/武藤)


 なにかこれでは、逆に
 「うつ病の原因はスモッグにある」と認めているようなもの
ではないか。



レコードチャイナ 配信日時:2014年2月27日 21時10分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=84097&type=0

食品安全において中国は「問題児」、
ドイツのテレビ局、中国産食品の問題を指摘―中国メディア

 2014年2月27日、環球時報(電子版)によると、ドイツのテレビ局は25日、中国からの輸入食品に関して特集を組み、中国のEU(欧州連合)向けの食品には問題が存在すると指摘した。

 報道によれば、中国産食品はすでにドイツ市場を占領している。
 EUが行った調査によれば、食品の安全において中国が最も問題が多いとわかっているという。
 報道では調査の一部を公開。それによると、中国産の干しシイタケには、基準値の3倍のニコチンが含まれていた。
 中国ではニコチンが含まれる殺虫剤を使用しているが、欧米では使用が禁止されているとも指摘した。

 このほか、EUは現在、農薬の残留を厳しく取り締まるため、中国産食品の輸入規制の強化について検討していると報道で伝えている。



レコードチャイナ 配信日時:2014年2月28日 18時34分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=84105&type=0

ドイツメディアの中国食品批判に中国人も賛同、
「われわれの寿命は短い」
「否定する余地もない」



●27日、ドイツのテレビ局は中国からの輸入食品には問題が存在すると指摘。同報道は中国のメディアにより中国国内に紹介され、ネットユーザーらが意見を発表している。写真は中国の市場。

 2014年2月27日、中国からの輸入食品に関してドイツのテレビ局は特集を組み、中国のEU(欧州連合)向けの食品には問題が存在すると指摘した。
 ドイツのテレビ局は25日の報道で、EUが行った調査の一部を紹介。
 中国産の干しシイタケには基準値の3倍のニコチンが含まれていた。
 中国ではニコチンが含まれる殺虫剤を使用しているが、欧米では使用が禁止されているという。
 同報道は中国のメディアにより中国国内に紹介され、ネットユーザーらが意見を発表している。
 以下は代表的なコメント。

★.「誰も強制はしていない。嫌なら食べるな」
★.「中国は食品輸出の管理を強化すべきだ」
★.「中国人はすでにこの現状に慣れてしまった。
 われわれは長い間、安全に問題がある食品を口にしている。
 寿命は短いだろうな」
★.「ドイツメディアの指摘通りだ。
 中国には違法な工場が多く、他人の健康を犠牲に金を稼いでいる。
 彼らのような害虫が国の名誉を汚している」
★.「ドイツメディアの指摘は否定する余地がない事実だ」
★.「中国の食品は安全か?
 そんなのは言うまでもない。
 それなのに、関連部門の役人は本腰を入れて取り組もうとしない。
 そんな部門は撤廃すべきだ」


 うつ病の次は「寿命」。
 いわく、「われわれの寿命は短い」「否定する余地もない」
 悪魔に国土を売り渡した中国、これから中国人民はどうなるのか? 


「WEDGE Infinity」 2014年02月27日(Thu) 
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/3637?page=1

「PM2.5が米国レーザー兵器には恰好の防御」 中国国防大教授のトンデモ発言でネット炎上

 中国軍の著名な教授がトンデモ発言をしてネットが炎上している。
 中国国防大学の張召忠教授がテレビの解説番組で
 「米国のレーザー兵器に対しPM2.5は恰好の防御になる」
と発言したのである。

■「濃霧があれば射程はたった1キロ」

 共産党機関紙『人民日報』系統の『環球時報』サイト『環球網』は早速、この発言を取り上げて淡々と報道した。
 とはいえ、教授の無神経な発言への抗議の意味もあったのだろう、
 「米のレーザー兵器は濃霧を恐れる 高濃度PM2.5を撃ち抜くことはできない」
と題してテレビ画像のテロップ付き写真を掲載する形で張教授を晒し者にしている。

 さらにサイトにはコメントが残せるようになっており、サイトにこの記事が載せられてから15時間ほどで千件近くのコメントが寄せられ(現在、コメント欄は消去されていて見られない)、別のサイトの動画はわずか5日の間に73万回も再生されるほどの反響を引き起こした。
 また内容評価は212票の「ウレシ~(喜悦)」というものもあったが、「お笑いだね~(可笑)」が1200票とダントツトップだった。

 以下ではテレビのコメントを再現する形でこの記事を紹介しよう。

* * *
【2014年2月22日『環球網』(抄訳)】

 張召忠教授が中央テレビの番組「海峡両岸」(中国と台湾の問題を扱う解説番組:筆者)で濃霧(原文では「霧霾」、もやという意:筆者)が米国のレーザー兵器に対して恰好の防御となると述べた。
 張教授の分析によると、米軍のレーザー兵器は劣勢にあるという。
 濃霧がなければレーザー兵器は射程10キロにもなるが、濃霧があればたった1キロなのだという。
 こんな兵器が使い物になるのだろうか、と張教授は言う。

(以下、張教授の発言)

 レーザー兵器にも弱点もあります。
 濃霧すなわちレーザー兵器への恰好の防御であり、レーザー兵器が最も恐れるのが濃霧です。
 濃霧がなにか、その構成をみると細かい金属粒子があり、この金属微粒子が空気中を漂っていれば、レーザー光線を撃ち抜けるでしょうか?

 PM2.5が400、500、600(マイクログラム)になった時、レーザー防御力が最大になり突き抜くことはできないでしょう。
 濃霧がない天気ではレーザー兵器の射程は10キロですが、濃霧があるとそれが1キロまで下がります。
 こうした兵器が使い物になるのでしょうか?

 天気に依拠して、天気が悪いからと言って今日は休む、としていたら使い物なるでしょうか。
 こうした法則を把握してしまったら、相手は終わりです。
 これは致命的な弱点なのです。

 もう一つの弱点ですが、初のレーザー砲を駆逐艦に設置するとしても、海上はもともと濃霧が大変です。
 海辺に家を買うと海に近すぎるため数日ですぐにさびてしまいます。
 飛行機を甲板に出して倉庫に格納しないと数日でさびてしまう。

 とても濃い塩霧が出たらレーザーの阻止する力が大きい。
 霧が出ないように浪をなくすことなどできないのですから。
* * *

【解説】

 テレビによく登場して軍事問題を解説する張召忠教授がこんなトンデモ発言をするなんて信じられない、と動画を見たらそのまま発言していたのでかなり衝撃的だった。
 反響が大きかったのでサイト記事の下に書き込まれたコメントからネットユーザーたちの声を少し紹介したい。

 「張将軍の口からまたでまかせだよ。
 解放軍が濃霧戦術を使ったなら米軍は攻撃してくる必要がないね。
 中国では毎年濃霧で死者が出て、数十万から千万人もが病を患っている。
 遺伝変化も起きて奇形児も生まれている。
 結果的に中国人が自分で自分の首を絞めているよ。
 張将軍、口を慎んでほしいな」

 「レーザー光線が撃ち抜けなくても その前に自分が死んじゃうよ

 「アメリカがスーパー兵器のレーザー光線があっても恐れることはない。
 何せ中国にはもっと独特の兵器、PM2.5があるから

 「海藻が原潜を阻止し(前にしたコメント:筆者)PM2.5がレーザー光線を阻止 すごいぜ~張将軍」

■北京は「人類が居住するのに適さない程度に近づきつつある」

 実はPM2.5が外国からの攻撃を難しくしている、というようなトンデモ論は前にも出たことがあり、日本でも紹介されたが、削除された経緯があった。
 ところが今回は有名教授がしっかりとテレビでコメントし、記事で発言が紹介されるという顛末になっている。

 皮肉なことに張教授がテレビでPM2.5について云々言っているまさにそのとき、北京の大気汚染は深刻な状況になっていた。
 北京市は大気汚染対策特別室(北京市空気重汚染応急指揮部弁公室)を昨年11月に立ち上げたが、2月21日に三級警報を出した。
 警報は出された当初、四段階(下から青、黄色、オレンジ、赤の順)で下から二番目の黄色(三級警報)だったが翌日には一段引き上げられ、オレンジ(二級)になった。
 オレンジはもちろん、黄色警報が出されたのもこの特別対策室の立ち上げ以来初だった。(1月に青色警報は発令されている)

 習近平国家主席は2月25日昼前に、まさにこのような天気の中でマスクを着けずに北京市内を散策して市民と交流し、民衆との近さをアピールした。

 政府系シンクタンク、中国社会科学院がこのほど出した『国際都市青書(2014)』は
 世界の40の都市のうち北京を38位に位置づけ、
 汚染の程度は既に
 「人類が居住するのに適さない程度に近づきつつある」
と警告しているほどだ。
 もし張将軍の言うようにPM2.5が国防の役に立つならそのまま都市を覆い尽くせば中国の国防は安泰だということになるのか。
 人が住めない場所で国防云々とは本末転倒ではないか。

■釈明に躍起になる張教授

 実は彼は国防の兵器導入においてその技術評価を受け持つ委員のような仕事に長年携わっており、今回の発言は兵器の技術的効能からするとレーザー光線が濃霧に弱いという原理を述べたのに過ぎないことは理解できる。

 しかし、多くの市民が病気を患い、寿命を締めている現実の前に兵器機能を云々したところで何のための国防なのか、という大前提を考慮せずに発言した無神経さが中国人にとっても腹に据えかねるものだったようだ。

 反響があまりに大きかったこともあってか張教授は自分の発言の真意が誤解を受けた、と釈明に躍起だ。
 北京青年報紙が23日に行ったインタビューで張教授は「濃霧を肯定しているわけではない」と訴えた。
 テレビでは20分の解説番組だったのにPM2.5に言及した2分間の部分だけが取り上げられ、揚げ足を取られているというわけだ。
 そしてPM2.5の問題そのものについては素人なのでよく分からない、と言い訳している。

 軍人である張教授の言い訳がどのようなものであれ、市民の健康、生命に重大な影響を及ぼす大気汚染を問題として取り上げずに新型兵器と関連付けて技術的原理ばかりを論じたのは配慮を欠いたものだった。

 中国の指導者や軍人、そして国際政治学者などの専門家たちは常日頃から政治を論じる際には大戦略、地政学、外交・世界戦略など大きなことを論じ、環境汚染や貧富の格差等には関心が向かない。
 実際には市民生活に重大な影響を及ぼすPM2.5の問題は単なる市民生活に止まらない国の行く末を左右する国家安全保障における喫緊の課題になっているということに気づいていないかのようである。
 張教授の発言が引き起こしたちょっとした議論は中国社会全体に広がる夜郎自大(やろうじだい:自分の身の程をわきまえず、自己中心的に大きさを誇示する考え)的考えを露呈したといえよう。

弓野正宏 (早稲田大学現代中国研究所招聘研究員)
1972年生まれ。北京大学大学院修士課程修了、中国社会科学院アメリカ研究所博士課程中退、早稲田大学大学院博士後期課程単位取得退学。早稲田大学現代中国研究所助手、同客員講師を経て同招聘研究員。専門は現代中国政治。中国の国防体制を中心とした論文あり。





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