2014年2月26日水曜日

トラブル続きの中国国産機MA60、またまた事故が発生し一時飛行中止に

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レコードチャイナ 配信日時:2014年2月26日 7時34分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=84014&type=0

トラブル続きの中国国産機MA60、またまた事故が発生し一時飛行中止に―中国


●25日、瀋陽空港で中国国産旅客機MA60が着陸装置の故障により3時間近くも着陸できない事故があった。事故を受け製造メーカーはMA60の一次飛行停止を申請した。写真はMA60。

 2014年2月25日、瀋陽空港で中国国産旅客機MA60が着陸装置の故障により3時間近くも着陸できない事故があった。

 問題の航空機は天津発瀋陽行きの奥凱航空BK2870便。
 ランディングギア(車輪)を展開したにもかかわらずコックピット内のランプでは確認できないアクシデントが起きた。
 3時間近くも瀋陽空港付近を周回した末、空港職員が目視でランディングギアの展開を確認。
 無事着陸することに成功した。

 MA60は中国国産のプロペラ旅客機だが、事故の多さで知られる“問題機”だ。
 2011年5月にはインドネシアのカイマナ空港で悪天候時に着陸を試みた際、滑走路手前の海に着水。乗員乗客27人全員が死亡する大事故を起こしているほか、着陸装置絡みでは2011年3月にはボリビア・ルレナバケ空港で着陸システムが起動せず胴体着陸、2013年6月にインドネシアのクパン空港で前輪が出ずに胴体着陸する事故があった。

 2013年6月10日にはインドネシアとミャンマーでMA60がオーバーランする事故が起きた。
 同じ日に2件もの事故が起こるという異例の事態にミャンマー政府はMA60の運用を停止する決定を下している。
 また同年7月には中国がトンガに同型機を無償供与したが、安全性が確認できないとしてニュージーランドが難色を示しトンガへの観光援助を停止。
 トンガへの旅行者に対し「MA60の事故が多発している」と警告している。
 今年2月4日には鄭州空港で滑走中に突然、前輪を収納。
 機体先端部が滑走路にぶつかる事故も起こしている。

 今回の事故を受け、MA60の設計、製造を担当した西飛公司は着陸装置の信号システムの全面的検査を実施すると発表。 
 航空当局にMA60機の一時飛行停止を申請した。
 中国では国産航空産業保護を目指し、大々的にMA60の導入が図られている。
 事故を起こした奥凱公司では保有する23機中10機がMA60。
 今回の一次飛行停止は中距離路線やLCCにとって大きな問題となりそうだ。



サーチナニュース 2014-02-26 14:46
http://news.searchina.net/id/1525274

中国製旅客機が上空で異常、着陸できず―製造元は飛行停止を申請

 中国の航空機メーカー、西安飛機工業が製造した旅客機「新舟60」が25日、降着装置の異常が表示されたために着陸できなくなった。
 同機は目的地の瀋陽桃仙空港の上空で旋回を繰り返し、低空飛行をして地上から降着装置が出ていることが確認されたとして、午後8時17分に着陸した。
 新舟60は4日にも、降着装置の問題で事故を起こしていた。
 西安飛機工業は航空当局に新船60の一時飛行停止を申請した。
 中国新聞社などが報じた。

  トラブルを起こしたのは天津浜海国際空港をハブ空港とする奧凱航空が、同空港発・瀋陽桃仙空港行きのBK2870便として運航していた新舟60。
 運航中の午後4時ごろに計器に降着装置の異常が表示されたため、瀋陽桃仙空港の上空に到着しても着陸できず、約3時間にわたり旋回をつづけた。
 機内からは降着装置の状態を確認できなかったため、空港上空を低空で通過し、地上から降着装置が出ていることが確認できたとして、着陸を行った。
 着陸は午後8時17分だった。問題は発生せず、乗客乗員38人にけがはなかった。
  なお、着陸時に異常が発生する場合、上空で長時間にわたり旋回を続けることには、燃料消費で機体の重量を軽減する目的による場合がある。

  新舟60は4日にも、着陸の設置直後に前輪降着装置が格納されたため機体を滑走路にこすりつける事故を起こした。
 西安飛機工業は相次いだ機体の問題発生を受け、「慎重を期すため」として航空当局に新舟60の飛行停止を申請した。  
 新舟60はウクライナ(当時はソ連)のアントノフ設計局が製作し、1959年に初飛行したターボプロップ機のAn-24型旅客機が土台になっている。
 同機を中国でコピー生産したY-7のエンジンや操縦系統を改良して新舟60とした。
 中国国外ではMA60と呼ばれることが一般的だ。  

 新舟60は2002年、中国国内で実施した訓練飛行中の着陸時に、降着装置が出ずに胴体着陸をしたことで、74カ月の飛行停止措置となった。
   中国で新舟60を運用している航空会社は奧凱航空や幸福航空などと少なく、同期は多くが発展途上国などに輸出されている。
 ただし、安全性に問題があるとして、納入を拒否された例もある。
  新舟60が中国国内で起こした主な事故やトラブルは3件程度とされているが、 国外では10件以上の事故やトラブルを発生させた。
 うち、インドネシアで2011年に発生した事故では、着陸に失敗した新舟60が滑走路から500メートル離れた海に突っ込んで乗客乗員25人全員が死亡した。
   ミャンマーでは2013年に発生した事故では、着陸時に滑走路から飛び出した。
 ミャンマー当局は新舟60の製造過程に不具合があるとして、同型機の自国内での飛行を停止させた。  
 同年6月にニュージーランド政府はトンガ国内線を運航するリアルトンが新舟60を使用していることを問題視し、「トンガに渡航した際、機体欠陥が疑われる航空機を利用した場合には自己責任を負う」よう注意を喚起したことに、トンガ政府が反発した 



レコードチャイナ 配信日時:2014年2月28日 19時52分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=84163&type=0

自信の国産旅客機にトラブル続出、
「メード・イン・チャイナ」のイメージ失墜―中国

  2014年2月26日、ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)中国語サイトによると、25日夜、中国の格安航空会社・奥凱航空(オッケー航空)の天津-瀋陽便に問題が発生した。
 機体は中国が独自に開発した国産旅客機・新舟60(MA60)。

 同機は着陸装置に故障が出たことを計器が示していたが、その後計器の故障であることが判明。
 問題が明確になるまで空港上空を3時間旋回し続けた後、ようやく瀋陽桃仙国際空港に着陸することができた。

 着陸装置の問題はつい先日も同型機で発生している。
 2月4日、陝西省西安市に本社を置く幸福航空の新舟60は、河南省の鄭州新鄭国際空港に着陸する際、前部着陸装置が収納されてしまい、機体前部が滑走路に接触した。
 1カ月という短い間に事故が2件連続して発生したことで、同機種の安全性を疑問視する見方が強まっている。

 製造元の西安飛機工業公司は、慎重を期すため国内における同機すべての運航一時中止を航空当局に申請し、システムの全面的な検査を行うことを決めた。
 公表されている統計では、同社は2013年末までに国内外で210機を超える発注を受けており、納入済み88機の多くは海外からの発注だという。

 新舟60はこれまで8件の事故を起こしており、3機が機体全体を破損し、全壊率は4%。
 25人が死亡する事故も1件起きている。
 2月4日の事故を受けてから運航をたびたび中断して検査・補修を行っていたにもかかわらず、1カ月も経たないうちに同様の事故が起きたことになり、徹底した検査を行って事故発生率を大幅に引き下げることができなければ、メード・イン・チャイナのイメージは失墜することになる。



【資料】


●MA60 Regional Aircraft


●MA60 Regional Airliner, Turboprop Aircraft


レコードチャイナ 配信日時:2014年2月5日 9時24分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=82885&type=0

事故多発の“問題機”、
中国国産旅客機MA60が滑走部接触事故―河南省鄭州市


●4日、中国国産旅客機MA60(新舟60)が着陸後の滑走中に突然、前輪を収納。機体頭部が滑走路と接触する事故が起きた。写真は事故現場の様子。

 2014年2月4日、中国国産旅客機MA60(新舟60)が着陸後の滑走中に突然、前輪を収納。
 機体頭部が滑走路と接触する事故が起きた。

 事故は午後6時半ごろ、河南省鄭州市の空港で起きた。
 問題のあった山西省太原市発河南省鄭州市発の幸福航空JR1533便には乗務員や旅客、計44人が乗り合わせていたが、負傷者は出ていない。
 事故後、JR1533便が滑走路をふさいだため、鄭州空港の一部の便に遅延などの問題が生じた。

 事故を起こしたのは中国の国産旅客機MA60。
 双発のプロペラ機で海外にも輸出されているが、事故が多発している”問題機”だ。
 2011年5月にはインドネシアのカイマナ空港で悪天候時に着陸を試みた際、滑走路手前の海に着水。
 乗員乗客27人全員が死亡する大事故を起こしている。
 着陸装置絡みでは2011年3月にはボリビア・ルレナバケ空港で着陸システムが起動せず胴体着陸、2013年6月にインドネシアのクパン空港で前輪が出ずに胴体着陸する事故があった。

 2013年6月10日はインドネシアとミャンマーでMA60がオーバーランする事故が起きた。
 同じ日に2件もの事故が起こるという異例の事態にミャンマー政府はMA60の運用を停止する決定を下している。
 また同年7月には中国がトンガに無償供与したが、安全性が確認できないとしてニュージーランドが難色を示しトンガへの観光援助を停止。
 トンガへの旅行者に対し「MA60の事故は多い」と警告している。

◆筆者プロフィール:高口康太(たかぐち・こうた)
翻訳家、ライター。豊富な中国経験を生かし、海外の視点ではなく中国の論理を理解した上でその問題点を浮き上がらせることに定評がある。独自の切り口で中国と新興国を読むニュースサイト「KINBRICKS NOW」を運営。



サーチナニュース 2014-02-05 10:41
http://news.searchina.net/id/1523185

中国河南の空港で着陸時に前輪折れる事故、負傷者なし

 中国河南省鄭州市の新鄭国際空港で4日夜、着陸する旅客機の前輪が折れる事故があった。
 乗員乗客44人にけがはなかった。旅客機は陝西省西安市を拠点とする幸福航空が運航する中国製双発ターボプロップ機「新舟60」。
 事故の影響で同空港はこの日、午後7時過ぎから同11時ごろまで閉鎖された。



レコードチャイナ 配信日時:2014年2月5日 12時9分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=82889&type=0

事故多発の“問題”国産旅客機、また事故で非難集中
=「信用失墜」「中国の恥さらし」―中国版ツイッター


●4日、中国河南省鄭州市の空港で、中国製旅客機が着陸する際に前輪が折れる事故があった。この機種はこれまでにも事故が多発している“問題機”で、中国のインターネット上には非難の声が殺到している。写真は事故現場の様子。

 2014年2月4日、中国河南省鄭州市の空港で、中国製旅客機が着陸する際に前輪が折れる事故があった。
 大河報が伝えた。

 事故を起こしたのは、陝西省西安市に本社を置く航空会社・幸福航空のJR1533便。機種は中国製双発プロペラ機「MA60(中国名:新舟60)」。
 乗客乗員44人にけがはなかった。
 事故の原因について、調査が進められている。

 MA60は海外にも輸出されているが、インドネシアやボリビア、ミャンマーなどで事故が多発している“問題機”だ。

 度重なる事故とあって、中国のインターネット上でも非難が殺到している。
 以下はその一部。

●.「負傷者が出なかったのは幸いだけど、問題を甘く見てはいけないよ」

●.「国産旅客機に対する信用は失墜した」
●.「中国製なんて笑い話だろ」
●.「毎回毎回、国内外で恥をさらすな」

●.「国産なんて、怖くて乗れないよ」
●.「明日、鄭州空港から旅立つんだ。神様、どうかご加護を」


●中国製旅客機 インドネシアで墜落
アップロード日: 2011/05/10


「新舟60」 wikipediaより

MA60(中国語:新舟60 英語Xian MA60)とは中国の西安飛機工業公司が開発した双発ターボプロップ旅客機である。
ソ連・ウクライナのアントノフ設計局(現:ウクライナ・ANTKアントーノウ)の製作したAn-24旅客機(1959年初飛行)をコピー生産(ライセンス生産とする書籍もあり)したY-7 200Aのエンジンや操縦機器を近代化した機体で、珠海国際航空宇宙博覧会(1998年)において公表された。

日本では西安(シーアン)MA-60と呼ばれることがある。2000年3月21日に初飛行し、8月には四川航空が就航させ、中国当局から量産の許可が出たため年間12-15機が製造されているが、中国政府による発展途上国への販促を狙った無償供与も多い。また完成度が低く、国際的な安全基準に達していない可能性があるので納入拒否したり、受領したものの運航停止した航空会社や国単位で対応している国もある。

MA60-100を発展させたMA600(en:Xian MA600)を2008年に発表、初飛行している[1]。派生型として貨物タイプのMA60-500のほか胴体を短縮して40席とするMA40の生産が計画されている。

安全性:
    2009年1,6月 フィリピン ゼストエア カティクラン空港着陸時、オーバーラン
    2011年5月 インドネシア メルパチ・ヌサンタラ航空 カイマナ空港荒天着陸時、着陸失敗(滑走路手前の海中に着水、乗員、乗客全員死亡)
    2013年5月 ミャンマー ミャンマー航空 Monghsat空港着陸時、オーバーラン
    2013年6月 インドネシア メルパチ・ヌサンタラ航空 エル・タリ空港着陸時、ハードランディング
    2013年6月 ミャンマー ミャンマー航空 コータウン空港着陸時、滑走路逸脱(ミャンマー航空当局はこの事故以降、同型機製造過程に不具合がある可能性があるとして同型機のミャンマー国内での飛行停止措置を実施)
    2013年6月にニュージーランド政府はトンガへ渡航する際、トンガ国内線を運航するリアルトンガが使用する同型機を使用するとき上記のような機体欠陥が疑われる航空機の使用は自己責任を負うとの渡航喚起を出している。トンガ政府はこれに反発し、国際問題に発展している。



レコードチャイナ 配信日時:2013年6月12日 13時17分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=73243&type=0

中国製旅客機が緊急着陸、機体真っ二つに=死者はなし―インドネシア




●11日、インドネシアで中国国産旅客機が緊急着陸した。機体が二つに折れ、前輪も折れて脱落したが、乗客に死者はなかった。

 2013年6月10日、インドネシアの国営航空会社ムルパティ・ヌサンタラ航空の旅客機が、同国東部に位置する東ヌサ・トゥンガラ州の州都クパンのエル・タリ空港に緊急着陸した。
 旅客機は中国産のプロペラ機・MA60(新舟60)で、機体が二つに折れ、前輪も折れて脱落したが、乗客に死者はなかった。
 中国のポータルサイト・捜狐(SOHU)のニュースチャンネルが11日付けで報じた。

 事故が起きたのは10日午前9時40分ごろ(現地時間)。同機は乗客46人、乗員5人が搭乗し、東ヌサ・トゥンガラ州南部のバジャワからクパンに向かっていた。
 機体中ほどの着陸装置は脱落しなかったものの、胴体着陸となったことで胴体中央部と主翼が接合する部分から大きく破損した。

 インドネシアには無数の島があり、ローカル航空市場に大きな需要があるとされる。
 事故を起こした中国・中航工業西安飛機工業グループ製のMA60機は、2006年にムルパティ・ヌサンタラ航空が15機購入することが決まり、2007年8月に最初の2機が納入された。
 今年4月までの時点で、
 MA系列機は中国及び16カ国・地域の260路線余りで82機が就航
しているという。

 記事に対してネットユーザーからは
 「国産…、国産を応援したいけど」
 「中国製なんてどれもこんなもんだ」、
 「中国の技術力はまだまだ低い」
といったコメントが寄せられている。




●中国・中航工業西安飛機工業グループ製のMA60機



レコードチャイナ 配信日時:2013年7月13日 0時12分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=74232&type=0

ニュージーランド、中国製航空機の安全性の問題を理由にトンガへの援助中止を决定―海外メディア


●10日、ニュージーランド政府は中国製航空機MA60の安全性の問題を理由に、同機を使用して国内路線の発展を計画しているトンガ政府に対する援助計画を停止すると発表した。写真はMA60。

 2013年7月10日、ニュージーランド政府は中国製航空機MA60(中国名・新舟60)の安全性の問題を理由に、同機を使用して国内路線の発展を計画しているトンガ政府に対する援助計画を停止すると発表した。
 11日付で中国紙・参考消息(電子版)が伝えた。

 AFP通信によると、ニュージーランドのマレー・マッカリー外務相のスポークスマンは10日、
 「ニュージーランド政府はMA60の安全性について危惧している。
 この問題が解決されるまでは、トンガに対する820万ドル規模の観光発展計画への援助を停止する」
と発表した。

 MA60は中国の中航工業西安飛機工業(集団)有限責任公司が開発した双発ターボロップ旅客機だが、ここ最近、各地で安全面に関するトラブルが頻発している。
 ミャンマーでは今年、MA60によるオーバーランが発生し、6月から同機種の使用を全面的に停止した。
 インドネシアでも同機の緊急着陸事故が発生。
 死傷者は出なかったものの、事態を重視した政府は、同機に対する特別検査の実施を命じた。
 インドネシアでは11年5月にも同機が墜落し、死者25人を出す事故が発生している。

 こうした状況の下、中国政府がトンガに贈呈したMA60がこのほどトンガに到着した。
 現地メディアによると、トンガ政府はMA60の安全性が国際航空基準に完全に合致していることが確認されるまでは航空会社による同機の運行を認めないと発表した。

 一方、ニュージーランド政府が援助中止を决定した背景には、同国の主要援助先の1つであるトンガに対して、返済条件が極めて緩やかなソフト・ローンなどによる援助を通じて影響力を日々強めている中国に対するけん制もあるとみられている。



Newsweek 2014年3月17日(月)11時51分
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2014/03/post-3216.php

海賊版大国、中国は旅客機までコピー?
Air on the Side of Caution


●安かろう悪かろう ロシアの航空機を模倣した中国の国産旅客機MA60は故障続き Reuters

 中国には航空機開発の壮大な計画がある。
 目標は2014年のうちに、ボーイング737やエアバスA320のような人気ジェット旅客機の中国版を生産することだ。

 欧米への依存を断つため国有の製造工場に大金をつぎ込み、ビジネスの常識を覆す早さで計画は突き進んでいる。

 そもそも大勢の人を乗せた巨大な金属の塊を空に浮かせるには卓越した技術力が必要。
 だが中国がこの目標を達成するとしたら、おそらく技術力よりもコピー力のなせる技ゆえ、だろう。

 あらゆる分野で海賊版だらけの現状を見れば、中国で普通の商業倫理が通用しないことは明らかだ。
 知的財産に対する意識の低い中国の人々にとって、海賊版の製造は「つづりの上の犯罪」にすぎない。
 映画『ハリー・ポーター』やHike社製のスニーカー、iPedなら笑い話で済むが、高度9000メートルを飛ぶ旅客機が「ボーニング747」だったらどうか。

 中国が航空機の海賊版を造り始めたのは90年代のこと。
 91年の湾岸戦争でイラク軍を壊滅させた米軍の威力を目の当たりにした中国軍は軍備強化を目指したが、その計画の一部が米軍兵器の模倣だった。

 当時、米軍のF117ナイトホークは世界で唯一のステルス戦闘機だった。
 99年、NATO軍のユーゴスラビア空爆に投入されたナイトホークが、セルビア軍の地対空ミサイルによって撃墜された。
 炎と共に地面に落ちた「見えない飛行機」の破片を、現地の農民は自分たちの農場へ運んでいった。

 はるかかなたからこのチャンスを捉えた「ハリー・ポーター」の国、中国のスパイが、やがてバルカン諸国に姿を現した。
 彼らはかなりの金をばらまきながら農場を渡り歩き、墜落したF117ナイトホークの残骸を収集、祖国に送った。

■窮地のロシアから「盗み」

 中国人は10年以上かけて、F117のコピー版の製造にいそしんだ。
 いま確かなのは、中国の「殲20」が世界で数少ないステルス戦闘機モデルの1つであり、見た目がF117にそっくりということだ。

 ロシアもステルス戦闘機を独自に開発しているが、中国はその技術も盗み取った。
 中国は96年、共産主義の崩壊と財政難でがんじがらめになっていたロシアとある取引をした。
 25億ドルをロシアに支払って、戦闘機Su27をライセンス生産する契約を結んだのだ。

 中国版Su27は殲11と名付けられたが、そこで行われたのが露骨な盗みだ。
 「契約が結ばれた時点で、中国がやることはみんな分かっていた」
と、ロシア人の中国軍事専門家、ワシリー・カシンはウォール・ストリート・ジャーナルに語った。
 「だが危険を冒すしかなかった。当時は、生き残れるかどうかの瀬戸際だった」

 中国は殲11を100機ほど生産してから、04年に契約を解除。
 ロシア側には、この機種は基準に合わなくなったと通告した。
 機体の隅々まで研究し尽くしたからだろう。
 3年後、中国はSu27とそっくりの戦闘機を発表。
 そのコピー戦闘機を国際市場で、ロシア製より1000万ドルも安い価格で販売する。
 これが中国のやり口だ。

 エジプトやパキスタンのような特売品をあさる国には朗報だろう。
 だが、購入を検討中の国は注意したほうがいい。
 問題のあるモデルは、ロシア軍の戦闘機を分解し、コピーして造り上げたMA60。
 中国が初めて国際市場で売り出した旅客機だ。

 中国国内でMA60が販売されなかったのは、墜落事故があまりにも多かったからだ。
 中国の航空会社からそっぽを向かれて、コピー旅客機の在庫を抱えた中国航空工業集団公司は売り急いだ。
 第三世界の親愛なる同盟国に売り付けたのだ。

 2機を購入してくれたジンバブエ航空には、もう1機をおまけで付けた。
 大幅な値引きや低金利ローンで販売されたMA60は、相手国に対する政治的便宜の一部とされた。

 13年にはトンガ国王へ無償供与され、盛大な式典も行われた。
 だがMA60の評判はあまりにも悪く、ニュージーランドが安全性への懸念を理由にトンガの観光計画に対する援助を停止する、という事態にもなった。

■あるパイロットの目撃談

 13年6月10日には、限界に達したかのように事故が続いた。
 まずインドネシアで緊急着陸した際に、機体が真っ二つに割れた。
 その後ミャンマー(ビルマ)で、滑走路をオーバーランする事故が発生。
 どちらも死者は出なかったが、ミャンマーはMA60の運航を中止した。

 13年夏、筆者はバンコクのバーでジェット機のパイロットと酒を飲んだ。
 アメリカ人の彼を、ここではマイケルとしよう。
 マイケルは各界の重要人物を乗せてアジアの空をしょっちゅう飛び、あらゆる場所を訪れて奇妙な体験をしている。
 その1つが1年ほど前のフライトだった。

 その晩、マイケルは「金属屋」を乗せてシンガポールからある場所に飛んだ。
 到着したのは巨大な格納庫で、中に8機の飛行機があった。
 機体は塗装前のような緑色。
 4機は解体され、部品が広々とした格納庫の床に並べられていた。

 シンガポールの金属屋は飛行機から飛び降りると、海賊版の製造にいそしむ中国人エンジニアと作業を始めた。
 彼らは分度器や定規、スマートフォンを手に、ばらばらになった部品を測っていく。
 彼は金属合成物を分析するために雇われたのだ。

 こうした問題に打つ手はあまりない。
 海賊版はいわば中国のお家芸だからだ。
 公平を期して言えば、故障を起こしているのは中国の飛行機だけでもない。

 13年はボーイングの787ドリームライナーにとって悪夢の年だった。
 1月には、リチウムイオン・バッテリーのトラブルにより、世界中で全機体が運航停止となった。
 このトラブルは解決されたが、解消し切れない欠陥も残っている。

 13年7月、ロンドンのヒースロー国際空港でエチオピア航空の787の機内で火災が発生し、滑走路が一時閉鎖された。
 8月と10月には日本航空の2機がトラブルのため途中で引き返し、ノルウェー航空でも9月に電気系統の異常が発生し、飛行を停止している。

 こうなったら、中国が完璧な性能もコピーしてくれるよう期待するしかない。






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