●2月28日、深セン晩報が行った“善意テスト”が話題となっている。
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レコードチャイナ 配信日時:2014年3月1日 10時49分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=84188&type=0
中国人から“善の心”は失われたのか?
新聞社の「善意テスト」で判明した驚きの真実―広東省深セン市
2014年2月28日、深セン晩報が行った“善意テスト”が話題となっている。
旧正月前日に放送される中国版紅白「春節聯歓晩会」。
今年話題となったコントが「助けますか?」だ。
道で倒れている老婦人を男性が助けようとしたところ、老婦人は男性がぶつかったので転んだと言いつのるという筋書きだ。
実はこの設定、現実の事件をモデルとしている。
2006年、バス停で転倒し老婦人が骨折。
助け起こした彭宇(パン・ユー)さんに突き飛ばされたと告訴する事件があった。
その後も同様の事件が相次ぎ、今では「転んでいる人を助け起こすのは危険だ」との認識が広がっている。
2月18日、この認識が一つの悲劇を生み出した。
広東省深セン市の地下鉄構内で女性が倒れたが、誰も助けようとせず50分間にわたり放置される事件があった。
ある通行人が直接助けるのではなく駅員に連絡。
救助隊がかけつけたが、その時にはすでに死亡していた。
中国社会は善意が失われた道徳砂漠になってしまった
のではないか。
改めて問いが突きつけられる悲劇となった。
果たして中国人は善意を失ってしまったのか。
2月28日付深セン晩報はそれを確かめるテストを行ったことを明らかにした。
深セン市内8カ所で記者がわざと転倒し、どのぐらいの時間で誰が助けてくれたかを試してみようというものだ。
ほとんどの場所ですぐに助けが来たが、蘭海路でのテストでは40数人の通行人が見て見ぬふり。
助けが来るまで7分間もの時間がかかった。
直接助けるのではなく警察に通報するという選択肢を選んだ人は「監視カメラがあれば助けに行きました」と釈明、逆に訴えられることを恐れたと明かしている。
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レコードチャイナ 配信日時:2014年2月26日 6時50分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=83981&type=0
落し物が戻ってくる国、それは日本と北欧!
中国では宝くじより低い確率―中国メディア
●23日、中国サイト・百度百家に、日本と北欧諸国の国民の資質の高さを指摘する「遺失物がなくならない国」と題した記事が掲載された。
2014年2月23日、中国サイト・百度百家に「遺失物が戻ってくる国」と題した記事が掲載された。
日本と北欧諸国の国民の資質の高さを指摘している。
先日、ノルウェーから帰国した。
同行者の3人全員が現地で無くし物をしたが、全部無事に手元に戻っている。
同じようなことを私自身もノルウェーで何度も経験した。
オスロ空港の安全検査場に大切なノートパソコンを置き忘れた時などはショックで頭が真っ白になったが、空港に保管されていることが分かり、心底ホッとしたものだ。
こうした経験が出来るのは、北欧諸国と日本ぐらいだろう。
東京五輪招致最終プレゼンで滝川クリステルが
「東京で何かを無くしても、ほとんど戻ってくる。それが現金であっても」
と述べていたが、それを証明する出来事を経験した台湾人女性の手記が台湾紙に掲載されて話題になった。
日本のテレビ局が行った実験で、カフェや広場の椅子の上に財布を置いて反応を見たところ、拾った人はみな店員や警察に届けていた。
私自身も日本留学時代に同様の体験をした。
デパートに置き忘れたカメラはサービスカウンターに保管されていたし、ディズニーランドで置き忘れた大金入りのリュックは置いた場所にそのままあった。
親戚が地下鉄の車内に置き忘れたバッグやぬいぐるみもちゃんと出てきた。
同様の経験をした中国人はいくらでもいる。
中国では落し物が戻ってくる確率は宝くじに当たるよりも低いだろう。
日本と北欧諸国は経済的にも豊かで、国民の教育レベルや資質が極めて高い。
中国のように一日中声高に宣伝活動を行わなくても、非常に高い倫理水準に達している。
国民は公衆道徳や自己の名誉を守り、他人の権利を尊重する精神をしっかりと身に付けている。
国が豊かであり、法治国家であること、それに国民が満足していれば、なにも他人の財産を奪い取る必要はない。
泥棒やペテン師がウヨウヨいて、人助けをしても逆に非難されるような国ならば、遺失物など出てくるわけがないのだ。
ただし、北欧や日本も天国ではない。
デンマークのコペンハーゲンでは、パスポートや航空券の入ったリュックを自転車のかごに入れてちょっと離れたところ、自転車ごと盗まれてしまった。
目撃した移民らしき風貌の人は「モロッコ人が盗んだ!」と走り去った方向を教えてくれた。
北欧も日本も移民が増えている。
移民問題は高い資質を備えた単一民族国家社会にとって、新たな挑戦となるだろう。
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JB Press 2014.03.13(木) 川島 博之
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40128
「反日ドラマには呆れるね。
釣魚島問題なんてどうでもいいよ」中国の地方都市で出会った「普通」の人々
中国南部の広西チワン族自治区を訪問する機会があった。
その省都南寧とその周辺(そうは言っても中国は広い、南寧から200キロメートルから300キロメートル離れたいくつかの小都市)、そこで見聞きした話をまとめてみた。
★A君: 農村出身の20代前半の男性
「学校の成績、あまり良くなかったなあ、順番は下から数えた方が早かったよ。
だけど地元の高校へは行ったよ。
今では、ほとんどの人が高校へ行くからね」
「中国はものすごい学歴社会、出た学校、卒業順位はいつもついて回る。
それで人生が決まるんだ。
俺みたいに農村出身で、しかも頭も悪い男に明るい未来なんてあるわけないじゃないかー、ははは」
「今、働いている所かい、遠い親戚が鶏料理屋で儲けて支店を出すと言うから、その支店に雇われたんだよ。
月給は1700元(日本円で約3万円)、住むところと賄飯はついている、まあまあかな。
もちろん残業はしない、決められた時間しか働かないよ」
「将来どうするのかって?
農村出身だから実家に帰って農業をやるつもりだよ。
ただ農業は儲からないから、本当はやりたくないね。
でも、俺のようなやつは街で家を持つことはできない、
すげー高いからな。
自分で商売をすることもできない、そんな才覚はないよ。
だから両親が年老いた頃に実家に戻るつもりさ」
「一緒に農業をやってくれる嫁さんを見つけることができたら最高だね。
だけど、無理だろうな、中国では若い男の数は女より3割も多いから、俺のような男と結婚しようなんて女はいないよ」
「休みの日は同じ農村出身の友達と遊ぶ、お金を使いたくないから安い食堂で安い酒飲んだり馬鹿話したり、そんな時は楽しいねー」
「えー、日本かよ、ものすごく悪い国に決まっているだろ。
毎日テレビで日中戦争の頃のドラマを流しているけど、日本の軍人はものすごく悪い、見ていて腹が立つ、最後の方で必ず八路軍にやっつけられるんだ、この頃はアクションドラマ仕立てになっていて、きれいな女優さんが兵士の格好をして日本兵を殺す場面があるけど、そんなシーンを見るとスカッとするね。
政府が反日デモをしてもよいと言えばぜひ参加したい、もちろん釣魚島は中国のものだよ」
●広西チワン族自治区にある地方都市の風景、ホテルの窓から撮影、インフラはそれなりに整備されている。(筆者撮影、以下同)
★.Bさん: 農村出身の20代半ばの女性
「成績は良い方でした。
村の高校を出たあとに街の専門学校に行きました。
村では大学に進む人はほんの一握りです。
北京の大学に進むなんて1人もいません。
県の中の一番の進学校のトップクラスだけです」
「今、去年できた、街で一番いいホテルで受付嬢をしています。
片言の英語がしゃべれるから4つ星ホテルの受付ができるんです。
月給は2000元(約3万4000円)、この辺りでは良い方だと思います。
ボーナスも年に2回、1回につき2カ月程度は出ます。
ボーナスを出さないような職場は、すぐに転職します」
「なぜ受付嬢なのに、“むすっ”としているかですって、へんな質問しないでください。
中国の受付嬢は笑いません」
「日本のホテルでは微笑みかけながら対応するんですって。馬鹿みたい!
そんなの、疲れるだけじゃない。
別にこのホテルがお客にどう思われようと、私には関係がない。
ホテルが儲かっても、月給が増えるわけじゃない、決められた最低限の仕事をしていればいい、友達もみんなそう言っているわ」
「日中関係についてどう思うか?
そんなの興味ないわ。
それより、いい男いないかしら。
やる気のあるビジネスマン、公務員は、私のようなコネのない女とは結婚しない。
でも、30歳までには絶対に結婚したいわ。
イケメンでなくてもいいです、経済力があれば・・・」
「農民は絶対にいや。
一度街に住んだら、あんな汚い故郷に帰る気になんかならない」
●ホテルのフロントにて。街を行く車も日本を走る車と変わりがない、日本より高級車が多いかもしれない。
★.Cさん: 農村出身の40代のタクシーの運転手
「俺は苦労人だよ、中学しか出てない。
もっとも俺の頃はみんな中卒さ。
収入かい、平均すると月に3500元(約6万円)ってところかな、
でもこの辺りのタクシー運転手としては良い方だよ」
「俺は自分の車で営業しているからね、つまり個人タクシーさ。
少しずつ貯金して買ったんだよ。
売り上げが全て自分の収入になる代わりに、ガソリン代を払う必要がある。
中国のガソリンは高いよ。
それに税金や保険料も払わなければならない、年に5000元ぐらいかな。
まったく税金は高いよ」
「最近マンションを買った、それが俺の自慢だよ。
値段は60万元(約1000万円)、中国では頭金は最低でも3割支払わなければならない。
残りの40万元が20年のローンさ。
毎月2700元も払っている。20年間で64万8000元、つまり24万8000元も利子を払うことになる」
「なぜ、急いで買ったかって、それは価格が急騰しているからさ、ぐずぐずしていると、手が届かなくなってしまう。
だから無理して買ったのさ。
かみさんが働いていて月給が2000元ほどあるからなんとか生活できるけど、どちらかが倒れたら破産だね。
なんせ収入の約半分を住宅ローンに充てているから」
「日本についてどう思うかって?
どうも思ってないよ。
政府は反日を宣伝しているけど、もう飽き飽きしたよ。
テレビで放送している“お色気アクション反日ドラマ”かい。
あれには呆れるね。
あんなもの見ているのは、馬鹿しかいないんじゃないかな。
釣魚島問題なんてどうでもいいよ」
「それより、政府には汚職対策をしっかりやってほしい。タ
クシーの運転手は警察に弱いんだ。
少しでも交通違反をしようものなら、やつらは弱みに付け込んでなんだかんだと賄賂を要求してくる・・・。
逆らえばいじわるをされるから、要求を呑んでいるけど、全く頭にくるぜ!」
ここに書いたような人々が、中国人の7割から8割を占めている。
日本のメディアは北京や上海での取材を報道するが、それは中国の2~3割の人々の意見を代表しているに過ぎない。
習近平や軍部の発言および行動を追っているだけでは、中国の全体像を見失うことになろう。
川島 博之 Hiroyuki Kawashima
東京大学大学院農学生命科学研究科准教授。1953年生まれ。77年東京水産大学卒業、83年東京大学大学院工学系研究科博士課程単位取得のうえ退学(工学博士)。東京大学生産技術研究所助手、農林水産省農業環境技術研究所主任研究官、ロンドン大学客員研究員などを経て、現職。主な著書に『農民国家 中国の限界』『「食糧危機」をあおってはいけない』『「食糧自給率」の罠』など
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